このマンガを読んだ!2024春(第1四半期)

 気がつけば電子書籍(honto)で購入した漫画が1000冊を超えていました。厳密には漫画以外も含むけど、たぶん漫画だけでも今は超えてると思います。仮に平均1冊750円とすると……いやでも意外と安いな……安いよな? 今回もよろしくお願いします。
 さて、早いもので2024年も1/3が終了しました。早すぎない……? この3ヶ月間、僕自身は特に代わり映えのない日々を過ごしてきましたが、たとえ自分自身がそうでも世の中の方は目まぐるしく変わってきています。例えば、そう……新しい漫画が発売されたりとか。
 そういうわけで今期も元気に、このマンガを読んだ!更新していこうと思います。よろしくお願いいたします。


 現行1巻。とりあえず今期はまず信頼のおける作者さんゾーンから入っていきましょう。こちらの作者の有馬先生は『はんどすたんど』の人ですね。はんどすたんどは2016-2018年で、その後しばらく音沙汰が無かったというか。きららファンタジアのサイト内漫画とかを描かれてましたが、この度晴れて新作発表となりました。誰目線でこのブログ書いてんの?
 きらファンの時もそう思ってたんですけど、有馬先生の作風というか、この作品も含めてノリがほとんどはんどすたんどまんまなんですよね。とはいえはんどすたんどは最高に面白いので全く問題ありません。
 こちらの作品のテーマはピアノ連弾。タイトルのエイティエイトは一般的なピアノの鍵盤の数を表していると思います。ハチャメチャな主人公が1話からいきなり実家のグランドピアノを寮の自室にクレーンで搬入するところから始まるハチャメチャな漫画です。1話でいきなり重機が出てくる美少女日常漫画、『ピコン-PIQUANT-』を思い出していいですね。
 総じてスピード感とパワー感にあふれる楽しいコメディ4コマであり、それでいてちゃんと締めるところは締めててちゃんと面白い漫画だと思います。大好き。最高!

 現行1巻。こちらは『錦糸町ナイトサバイブ』『ひかる・インザ・ライト』の松田舞先生です。この作品は先の2作と比べて扱ってるテーマが軽くてとっつきやすい感じはあると思います。
 主人公は高校1年生で、故障のせいでサッカーができず無力感のある日々を送っていたところ、有名な変わり者の先輩から「ハイパー帰宅部」なる謎の部活動(部活動ですらない)に勧誘される、という話。まだラブコメっぽくないけど裏表紙情報によるとラブコメらしいです。
 このヒロインの先輩(直帰ちゃん)のキャラがいいというか、変わり者と言われるだけあってロマンに満ち溢れた小学生のような価値観を持ってるキャラクターをしていて、一周回ってなんかいいキャラをしている風な雰囲気を醸し出しています。俺は騙されないからな……
 そんなこんなで薄っすらラブコメの雰囲気がある高校生日常ものって感じで普通に読んでて楽しい漫画だと思いました。それにしても主人公とヒロインの苗字を同じにすることで自然な流れで名前呼びにするの、大発明ですね……あとソフトボール回の「ホームに帰る」というルールを「帰宅」という概念に落とし込むのも、妙な解釈によって自己を強化する能力バトルみがあって良かったです。

 3巻完結。気がついたら終わっちゃってました。作者のくろは先生は『帰宅部活動記録』とかの人ですね。くろはさんレベルになるとなんの説明もなくアザラシを出しまくっていいらしいです。
 普通の男子高校生をやっている主人公のもとにいきなり天使のミミエルが(物理的に)堕天してくるところから物語が始まる、天使同居系ギャグコメディになります。
 こういう系の作品といえば最近で言っても(広く取ると)『ガヴリールドロップアウト』『愚かな天使は悪魔と踊る』『終末の花嫁様』『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』など枚挙に暇がありませんが、この作品がそういうものと一線を画しているのが、このミミエルがちゃんとキリスト教に準拠している天使であるというところになります。悪魔や他の天使も出てきません。ミミエルは人間の常識を知らないので異文化交流コメディの側面もあり、かつところどころに聖書の引用が出てくるので勉強になります。前に『河畔の街のセリーヌ』を読んだときに聖書の引用で会話するのかっけえ……となったので。とはいえこの作品はギャグなので文面の勝手な解釈による強引な適用をボケとして出してくるのでお固くなりすぎないのがいいですね。微塵もかっこよくはないです。
 くろは作品なのでところどころに下ネタが挟まるみたいなところはありますけどくろは作品なのでギャグの質は高くて面白かったです。まさか3巻で終わるとは思ってなかったのでラストの急展開には驚きましたが、総じて良い作品でした。

 現行1巻。これは新作というか続編ですね。詳しくは四十七大戦(マガジンポケット、全14巻)を読んでください。
 僕もあれを読んでこんな感じで終わるのかぁ……と思っていたら作者側も不服だったのか自費出版の形式で続編が出ました。クラウドファンディングによって紙の単行本も出たらしいです。
 前作ではしばらく中国地方編、次に四国が出て九州……といった形で全都道府県が登場するにはかなりの期間がかかりましたが、今作は1話から48キャラクターをすべて登場させることができるという続編の強さみたいなものが出ていて良かったと思います。
 サラッと書きましたが今作のタイトルのプラスというのが単純に続編ですよという意味のマークというだけでなく、今作の根底に関わる「48個目の都道府県」を表しているというのも面白いですね。オタクが大好きなやつじゃん……
 作者の一二三先生のツイッターを見てると色々大変そうな状況が散見されてお気の毒な気持ちになりますが、今後も変わらず頑張ってほしいですね。

 現行1巻。これは『熱帯魚は雪に焦がれる』の萩埜まこと先生です。はにがれの人、こういう作品も描けるんだ。
 時は1990年代、舞台はドイツ。精神疾患により常に猫頭の男ピートが見えており、かつ祖国フランスで指名手配をされている主人公・テオドールが脱走癖のある孤児院暮らしの少女・リノアと出会い、なんやかんやあって行動を共にするようになり、まったく関係がなかったはずの2人の過去が少しずつ解かれていく……みたいなお話です。本当に前作と毛色が違いすぎる。
 ミステリ風味でありながらいわゆる探偵役がおらず、全員が全員腹に一物抱えていながら勝手に動いていくという、マーダーミステリを傍目に見ているような(?)感じの物語だと思います。まだまだ始まったばかりですが続きが気になります。

 現行1巻。こちらも近年珍しい、まるで戯曲のような作品です。
 女王、貴族、商人、女娼、メイド、女優、異民の7人の女が居合わせた列車から物語が始まります。異民はテロを目的として列車に乗り込んでおり、捕らえられて殺されるわけですが、その死に際に「お前たちは殺される」と予言めいた言葉を残します。その後、その言葉の真意を調査したりする中で、他の人物が一人一人非業の死を遂げていく……というお話です。割と運命じみた理不尽な死はどうしようもなく、ホラーというより不条理文学という感じがします。
 単純に一人ずつ死んでいくのではなくそれぞれに自分の過去や罪を清算するかのような描写があり、さらにそれらの運命に間接的に影響しているソレイユという少女の謎など、運命は避けられなくても先が気になる展開になっているのが面白い所だと思います。
 とにかく、昨今の流行からは逸脱しているのは間違いないと思います。こういうのももっと評価されてほしいですね。

 まんがタイム枠。タイトルの古臭さみたいなのは流石にちょっと否めないかな……
 富山県富山市で暮らす元トップアイドルの一花が、たまたま江戸時代からタイムスリップしてきた芙蓉とともにもう一度アイドルをやるというお話。忍者とアイドルという、あまり無さそうな組み合わせが面白いです。いや、アイマスにいたっけ、でもあれガチの忍者じゃないからな……
 主人公の一花が結構楽天的な性格で、芙蓉のこともはじめはガチのタイムスリップ忍者だと認識してなかったあたりもおもしろポイントですね。それくらいのほうが物語の牽引役としてはいいのかも。
 はじめの方はそうでもなかったけどご当地要素が入ってくるのもいいですね。富山県といえばアニメは『サクラクエスト』、漫画は『アフターアワーズ(3巻のラストだけ)』等があるっちゃあるけど、それをメインにしたっていうのはあんまりない気がします。実際富山に行くとドラえもんがいっぱいいたりするんですけど、別にドラえもんも富山の話ではないですから、そういう点でも今後が楽しみですね。

 現行1巻。これすっごい面白い……
 主人公は根暗なオタク気質の女子高生・つむぎ。推しである歌い手・miraiが突然無期限活動休止宣言をして虚無になっていたところ、クラスの嫌な奴が実はmiraiその人であったことを偶然に知り、2人で再出発を目指して活動を再開していく、というお話。最高……
 お互いに人間性が微妙にアレで、しかもお互いにそのことについてチクチク言ってばかりなわけですが、それはそれとしてそれまでの長い時間歌い手とファンの関係性で、心の底では互いに信頼しあっているというのがすごい良いですね。本当にすごい良い。最高……さらにそれはそれとしてお互いに表現者としての矜持、ファンとしての矜持をしっかり持っていてそれを揺るがさないのもすごい良いです。最高……
 あとこの2人以外にも登場人物は当然いるんですけど、みんなしっかりキャラが立ってるのもいいですね。作曲家のぼっちちゃんみたいな人も面白いし、委員長も抜け目ないし、絵描きの人は創作に対する意識が高くてすごいなあ……最高……
 タイトルもカッコいいですね。これはこの2人が休止明けに作った曲のタイトルとなっているんですが、このタイトルがこのストーリーのテーマ全体を包括している、と、言える……言えるんだよな、たぶん。デメリットとしては略しにくい呼びにくいというのはあると思います。ちなみに公式ではえすぷいという略称を使っているようです。浸透するなら何でもいいんだけど。
 やっぱこういう音楽系の漫画はアニメ化した時に映えるんですよね。MVとか作ってるし。頼むぞ……

 現行1巻。TRPGをテーマにしたキューン作品です。
 異常に運が悪い主人公がTRPGをやるサークルに勧誘される話。システムは作中で明言されてはいないものの、有識者曰くソードワールド?がモチーフになってるっぽいです。グループSNEという団体が監修に入っているので。
 TRPGをテーマにした漫画作品ってあんまりなくて、そういう点ではチャレンジングな作品なのかなと思います。僕はTRPGやったことないんですけど、TRPGの面白さとかあるあるネタを漫画で連載していくのって難しそうな気がするし……今のところはTRPGそのものよりもそれに付随するサークル活動のわちゃわちゃが楽しく描かれてるのかな。その路線でずっと行くのかどうなのかはちょっと分からないですが。

 現行2巻。これもキューン作品で、その中でもかなり典型的なやつのような気がします。
 一言でいうと喫茶店でアルバイトをする人たちのお話。タイトルにメイドとついていますが、いわゆるメイド喫茶ではなくメイド風の制服の喫茶店という感じだと思います。
 乱暴な言い方をしてもいいのならティッピーのいないごちうさというか、ドSコンセプトのないブレンド・Sというか、なんかそんな感じの作品です。絵は可愛いしお話が面白くないわけでもないんだけど、そういう先人と比較するとパンチは足りないのかな、という感じはなきにしもあらずという感じはしなくもないというか。
 でもそれが決して悪いというわけではなくて、例えるならば真水みたいな作品なのかな、というか。味覚を刺激するわけではないけどその分クリアでごくごく飲めるし、さらにそれは人体には必要不可欠なものですから。本当にこの例え合ってるか?これを水みたい!ってごくごく飲んでるの、他人から見たら異常な風景なのかもしれないな……
 あと急に名古屋要素を押し出してきます。そういうのすごい良いよ。

 現行1巻。『銀のニーナ』の人の作品です。僕それ知らないんですけどね。
 魔法使いの8歳の女の子・ロペが修行のために日本にいる魔法猫を探す目的で大学生のサクラのお世話になりながら頑張る、というお話。
 時々バトルはあるものの基本的にはほんわか日常ストーリーって感じです。うん。それ以上に特筆することは、特に、ないかな……

 現行1巻。ワーカーホリック生徒会コメディです。
 重度のワーカーホリックで仕事をしていないと手が震える生徒会長・モクコをなんとか休ませようと頑張る副会長・うゆのお話。労働の話しかしないバージョンの『かぐや様は告らせたい』みたいなものですね。(?)アプローチとしてはひたすらマッサージをしたり、入眠効果の高いお茶を飲ませたり、何も無い部屋に監禁したり。本当に回を追うごとにやり口が直接的になっていくというか、大喜利の回答みたいになっていってシチュエーションだけでも面白いです。
 実際のところは全然バトル漫画ではないけど、心理戦が入ったり急に描写がバトル漫画になるのも面白ポイントですね。こういうところも初期のかぐや様に近いんじゃないかなと思います。

 現行1巻。バトルもの……バトルものか……?
 自殺を考えていた主人公の元に謎の脱走軍用アンドロイドが転がり込んできて、それが見た目が亡くなった妹に似ているということから面倒を見たり面倒に巻き込まれたりするというストーリーです。
 タイトルにある通り地雷系ファッションが出てくるんですが、なんかこのアンドロイド及び妹の趣味であるというだけで、あまり深い意味はないのかな……いや、でも重大な伏線かもしれないからな……
 今のところは単発的なお使いをやってる感じで、ストーリーや世界観の深淵は未だ見えてきていません。なんで秋葉原が滅んでるの?まぁ、そういうところも追々説明があるんじゃないでしょうか。

 現行1巻。イギリスを舞台にしたヒューマンドラマ的な作品だと思います。
 ロンドンの芸術大学を中退?したオスカーが祖父から相続した田舎の屋敷(フォレストアイビー)に越してきたはいいものの、まずその屋敷はすっかり廃墟と化していて人が住める状態ではないということ、雇ったはずの家政婦として何故か6歳のエヴィという女の子が来ていたことという2つの問題に直面します。反りの合わないエヴィと協力しながら家を住めるようにしていこうというお話になりますが、その上でオスカーが抱えている絵を描くことに対する心理的なトラウマを克服していくとか、エヴィの抱えている家族関係の問題を解消していくとか、そういった点もテーマになってきます。すごく『針と羊の舟』みたいですね。続きも楽しみです。

 現行1巻。これも田舎暮らし系の作品と言えるかなと思います。舞台は伊豆諸島最南端の青ヶ島です。
 高校卒業のタイミングで埼玉から(なぜか)引っ越してきた主人公・碧子が島特有の過酷な生活に適応するため頑張る話です。
 ……うん。今のところはそれだけ、ですかね。何というか、何かが足りないというか……ストーリー、キャラクター、緩急、ギャグとシリアスの比率、うーん……

 現行1巻。テーマはオタクの婚活です。おぉ…… いや、いつも通りフラットな視点でいきましょう。
 主人公のヒカリ(32)が推しのイベントで偶然高校時代の友人と推し声優が結婚していることを知り、精神がぐちゃぐちゃになったうえで自分も声優と結婚できるように頑張る、みたいなお話です。よくSNSの広告に出てくるオタク向け結婚相談所のとら婚が取材協力としてクレジットされています。とはいえ1巻ではSNS婚活→マッチングアプリ→結婚相談所という段階を踏むのでそれが出てくるのは後半以降ですね。ようするに進研ゼミの漫画のような結婚相談所の宣伝漫画というわけではなく、ちゃんとしたコメディ作品になっていると思います。そう信じさせてくれ。1巻終わりの現段階でまともに男性キャラの登場人物はいません。
 僕自身は結婚に1ミリも興味はないんですが、SNSで見る結婚相談所の中身がどうなっているとか、そのサービスを実際に利用するうえでの諸々の仕組みとか、そういうことを知れるという点では勉強になる作品だと思います。ちゃんとこの主人公が頭おかしいところも好感が持てます。この絶妙な作画もすごいですね。
 この主人公とそれをサポートするまともな妹の構図、どこかで見たことがあると思ったら『コミュ症だってモテたいの!』でした。あっちの主人公は20歳でしたが、こう、時の流れの残酷さというか、怖さみたいなのをひしひしと感じますね……絶対自分事として捉えたくないぞ……

 現行1巻。歴史系ラブコメ、でいいかな。何それ?
 とある大学の文学部に所属する主人公(タイムスリップしてきた紫式部と同居している)が同じ学部で同じアパートに住む3人のヒロイン(それぞれ清少納言ラファイエット夫人、不明な人物と同居している)とラブコメする話です。なんて?
 えー、そういう感じで平安時代の恋愛についてアドバイスをもらいながらラブコメをする、という趣旨はまあいいんですが、これは僕自身にラブコメを楽しむ才能がないからでもあるんですけど、ヒロインを複数人出してくるのも何なんだって感じがするし、キャラ付けのためなんだろうとは思うけど完全にアウトなレベルでのストーカー気質なヒロインがいるのもストーリーの面白さに寄与しているというよりもむしろ怖さが打ち勝ってしまっているのではと感じました。これは単純に自分の感性の問題だろうけど。でもこれ、登場人物ここからあんまり増えなさそうな気はするけど(まだ隠してる人物いるし)、どうやって収拾つけるんだろう……

 これは1巻完結。海洋生物系異種族ラブコメ……ラブコメ? ヒューマンドラマ、ですかね。
 ”ヒトガタジョオウガイ”という人魚のような貝の仲間を巡る物語。見た目がヒトっぽいだけでなく普通に人語を解します。そのためこの生き物の扱いをどうするかみたいなのでひと悶着あるというか、あんまりストーリーの話をしすぎるとネタバレになっちゃいますね。1巻完結なので。
 かなりこの主人公の努力や過ち、その後の人生の歩みとかを見ていると、ラブコメとは違うジャンルと言って問題ないんじゃないかなと思います。読了感のいい漫画でした。
 それはそれとして、1巻完結の似たジャンルのお話として『深海ランデブー』を思い出す作品ではありました。読み返してみるとぜんぜん違う内容なんですけどね。でもどっちも良い漫画なので。

 現行1巻。これなぁ……
 女の子とイチャイチャしたい大魔術師がいろいろな騒動を起こしたり巻き込まれたりするという、性癖バトル系異世界ファンタジーです。何それ? ラブコメ……ではないかな、どちらかというとロードムービー系というか旅ものというか? タケシしか出てこないアニポケ、みたいな……本当か?
 結構下ネタが飛び交う下品な漫画ではあると思うんですけど、それはそれとして他人が性癖開示してるところってたしかにそのままおもしろギャグになり得るのは発明だなとは思いました。あのスラムダンクパロディのシーンマジで笑ったので。面白いか面白くないかでいうと間違いなく面白いんですけど、それはそれとして人に勧めるのは憚られる系の作品ですね。各期間1つはあるやつです。

 現行1巻。なろう出身のコミカライズ作品みたいです。
 とある日本の田舎町で過ごしている女子高生の家の隣に異世界から魔王が引っ越してくるという日常系コメディです。魔王とは言うけれど特に害をなすわけでなく、あくまで異文化交流コメディって感じです。特筆事項は、ちょっと難しいですが……まぁ普通に面白いんじゃないでしょうか。

 現行1巻。これは不動産系逆異世界転移系コメディです。たぶん。
 江東区豊洲のマンション建設予定地に突然魔王城と魔王と勇者が転移してきて、しかも魔力不足で帰れない。建設予定のマンションの保証もしなければならない。そういうわけで魔王城を物件として売り出し、人を住まわせて魔力を貯めようとそういうお話になります。
 こっちの魔王はちゃんと魔王していて、契約魔術で今のところは人に害をなしてはいませんが、その気になればいつでもそうする準備はできているという狡猾さがあります。やっぱ魔王はこうでなくっちゃな。
 キャラクターも多彩でバランスが取れていて、普通にコメディとしても面白いです。まだあんまり法律や税金などの詳しい話はしていないですが、そういう点でもこれからしなきゃいけない話は無限にあるはずなので、今後も楽しみですね。

 現行2巻。なろう出身でアニメ化も決まっているそうです。
 これはすごくちゃんとしたSFファンタジーバトル作品ですね。不死の魔王が勇者に敗れ、500年後に復活したときには元のファンタジー世界が機械文明の世界と融合しており、さらに不死の軍勢は壊滅、魔王の側近の一人が都市の実質的な支配者と化しており対立し、さらに魔王の力の源である信仰力も失われており、しかも都市のサービスを享受したり魔法の発動をサポートするためのファミリアという端末も付けられず、どうしようもないハードモードから再起する魔王の物語です。
 巨大な体制社会に反逆する個人という観点では『ニンジャスレイヤー』みたいな話なのかなと思います。ストーリーの流れも基本的には理にかなっているし、バトルシーンの作画がすごくてそういう観点でもいい漫画だと思います。
 2巻のラストではこれから500年越しの勇者と魔王の共闘という一番アツい展開をやってくれそうで、続きも楽しみです。

 現行1巻。小説のコミカライズです。
 これは小説が現在4冊出ていて、うち3冊はだいぶ前に読んでるんですよね。それのコミカライズということで、ストーリーは(だいたい忘れてるけど)把握しているけれども一応読んどこうということで購入しました。ちなみにこの1巻のストーリーは小説版の1冊目なので2018年に世に出ている作品ということになりますね。あの頃からずいぶんとAI技術は進歩してしまって……
 ストーリーとしては、探偵と犯人のAIを作って研究していた主人公の父親が密室で殺害されてしまい、主人公が部屋で発見した探偵AIのプログラム(相以)とともに事件を解決していこう、という内容で、人工知能が陥りがちな諸問題を事件解決とは別に解決しなければいけない、というのが面白いポイントなのかなと思います。ミステリとしては小説3冊目の四元館の殺人がこう……ファンタジーミステリとして結構面白くて印象に残ってます。コミカライズでそこまで行くにはどのくらいかかるだろうな……
 漫画版だけ巻末におまけ4コマがついていて、本編の内容を基にしたちょっとしたギャグをやっているんですが、この4コマを読むだけでも漫画版を買った価値はあったかなと思いました。

 現行2巻。今期最後は悪役令嬢ものです。これ本当に悪役令嬢ものか?
 過労死した主人公がやり込んだ乙女ゲームの世界に悪役令嬢として転生してしまった!と書けばもう非の打ち所がなくそうなんですが、この乙女ゲームというのが問題で。このゲーム(通称『桜散る』)の舞台は平成初期の日本、正史とは異なり日本が大戦で早期に講話したことで無条件降伏せず、華族や財閥が生き残った世界というすごく絶妙なIFの近代日本を舞台にしています。つまりこの世界で悪役令嬢ムーブをするためにはこの時代の経済や法令のシステムを熟知していなければならないということで、この漫画は要するに近代日本財閥経済バトルものとしての側面が色濃く強い作品になります。この主人公は自身の破滅を回避するために、これから日本が直面する「失われた20年(30年?)」を回避し、日本経済を救うことを心に掲げて行動することになります。本当にすっごいかっこいい……
 経済学を扱う漫画として比較対象は『ハイパーインフレーション』とかになるのかと思いますが、あちらは金本位制や兌換制度を取り扱った貨幣制度の興りの経済学だったのに対し、こちらは株式や債券などの存在する近世の経済学を扱うので別物の面白さがあると思います。まぁ僕はどっちにも全然詳しくないのでよくわからずにすごいなーって思いながら読んでます。1巻では主人公の家である桂華グループ極東銀行の不良債権処理、2巻では北海道開拓銀行(史実では「北海道拓殖銀行」)の経営破綻を日銀特融と証券局を巻き込んだ逆さ合併とTOBによって回避するという、正直こうやって書いててもよくわからない高度な処理で日本経済を立て直していくぞとそういうお話になります。これ本当に悪役令嬢ものか?
 総じて意味わからないけど面白いです。強い意志を持って身を切る覚悟で物事に取り組む人間というのは輝いて見えるというやつですね。ちゃんとしっかり読み解けば経済史の勉強にもなると思います。それが現代の経済にどのくらい役に立つのかはわからないですが。まだまだ作中の年代としても始まったばかりなので、これからの展開も楽しみですね。

seiga.nicovideo.jp
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 最後はニコニコ静画に投稿されているWEB漫画です。このブログではほとんど商業漫画しか紹介しないんですが、ちょっとこれは別格なので紹介します。ちなみに他に注目しているWEB漫画(単行本が出なさそうなもの)としては『あの頃の青い星』『のんびりジャーニー』があります。そっちもよろしくね。
 ハトは4コマ漫画です。ジャンルとしてはシュール系で、強いオチもなく投げっぱなしみたいになってるような回もあるんですが、何より特筆すべきはその量ですね。恥ずかしながら最近知ったんですが、この作品は現在2900ページ以上あり、現在も1週間に10ページのペースで更新され続けています。なんとなく面白いなぁってダラダラ読んでたら本当に無限に読めてしまうという恐ろしい漫画です。僕は自制心を働かせながら1ヶ月くらいかけて現在存在する分を読了しました。でも今時々2周目入って読んでます。そのくらい中毒性があって抜け出せないシリーズということで、みんなもこの沼に落ちよう。


 以上です。いつも通り10000文字以上の長文ブログになりました。最後に今期の続刊と完結作を紹介して終わります。
(タイトル前にスペースを入れてるのはまだ読んでないやつです。このブログの時期になるとちょっと積むので読み終わってから記号を入れていくことにします。)

 以下の作品の続刊が出ました。

・ガレキ!-造形乙女の放課後-
異世界ありがとう
・スカベンジャーズアナザースカイ
異世界最強、日本でJKと婚活する。
★偽りのマリィゴールド
・凶乱令嬢ニア・リストン
☆乙女の地球の走りかた
★花唄メモワール
江戸前エルフ
・おそとごはんをご一緒に
・虫の皇女マユの旅
☆友達が私を理解らせにくるので勝利の女神の力を借りてこっちも理解らせにいきます。
・エレナの炬火
★竜医のルカ
★♀ガキとおじさん
ごきげんよう、一局いかが?
★聖女はとっくに召喚されている。日本に。
☆この世界の攻略本を拾ってしまいました
★シスター様の仰せの魔々に
☆志摩風さんのAクイック
・マリッジトキシン
 クプルムの花嫁
 聖女に嘘は通じない
☆つばめアルペン
☆逢沢小春は死に急ぐ
 恋より青く
★つりこまち
★絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで
★のんびり大聖女の異世界のんびり紀行
 恋文と13歳の女優
★魔女は満月に咲く
 クズ浪人生、人生が辛いので夜のお姉さんを呼んでみた
 ひなたのひより
 酒と鬼は二合まで
 変人のサラダボウル@comic
 魔法使いロゼの佐渡ライフ
 スライム娘は侵食したい!
 無能なナナ

 そして、以下の作品が完結しました。

☆宙-CHUU-
☆推しが死んだのでタイムリープして生存ルート確保します!
☆メールブルーの旅人
・#ゾンビさがしてます
ピエタとトランジ
★おかしなエルフと女子高生
☆ヲトメは義母に恋してる
・メスガキのいる喫茶店
☆茨城ごじゃっぺカルテット
☆紡ぐ乙女と大正の月
☆奇妙で奇怪な日常譚!
 ペンションライフ・ヴァンパイア
 冒険は呪われたあとで

 いや、色々終わりましたね。春は別れの季節というか、でもどの季節でも変わらず出会いと別れを繰り返してる気もします。自分にできることは漫画を探して買って読んで感想を書くくらいなので、できることを今後も続けていけたらなぁと思います。それではまた。