このマンガを読んだ!2023冬(第4四半期)

 今年一年お疲れさまでした。年末のブログなので今年の振り返り風に見えるかもしれませんが実際は今年の9~12月の振り返りです。Amazonの注文履歴みたいな表記だな。それより前のは前のブログを見てね。

 いつもだったらクソ長いブログ書くのも読むのも嫌になってくるところだと思いますが、今年から年4更新にしたので労力は半分です。パッと書いて心残りなく新年を迎えたいですね。ちなみに今回紹介する作品は26タイトル。前回は18タイトルでした。そっかぁ……

 それでは始めていこうと思います。

 現行1巻。今期ベストはこれかな。
 パン屋さんで働く女子高生たちによるお仕事日常もの、ですがそれだけではありません。その本質が何なのかはまだ明かされてないんだけど……
 お話の構造が難しいけど、祖父の跡を継いでパン屋の店主を務めている恵理と、この街に引っ越してきた麦のダブル主人公もの?みたいな感じだと思います。
 表紙とかあらすじとかを読むと絵がかわいいだけのゆるふわグルメ系日常ものなのかな、と思わせてきますし、1話とかを試し読みしてみると微妙に会話が噛み合ってなかったり展開が唐突すぎたりで一見すると完成度の低い漫画なのかな、と思わせてくるのは事実です。
 ですがこの作品の本質的なテーマとして『麦の隠している秘密について』というものがあり、随所に見え隠れするこの秘密のヒントを中心に展開が進んでいく、という観点で読解を進めていくとすごく面白い作品と言えると思うんです。(この話はある知人に力説してもあまりピンと来ていない様子でしたが)麦は確かに主人公の一人であり、基本的に彼女の主観で物語が展開していくわけですが、その彼女自身に物語のキーとなる大きな秘密があり、それを読者を含めた全員に意図的に秘匿しているのが面白いというか……要するに、物語の展開の主観は麦の視点だけど、お話としての主人公は恵理ということ……なのかな。読解を深めれば深めるほど面白さに気付ける作品だと思います。
 そういう点で言うとお話としてテンポが悪い所にもちゃんと読解のヒントが隠されているし、そういう点でも信頼できる作品と言えると思います。恵理のスタンスも人間関係に難があることを自覚しているので、麦の秘密について気にしていつつもそのことについて追及しすぎるのも良くないとしていてそれもいい感じです。こう……適度なもどかしさを楽しめる人におすすめの作品でした。
 なんでモブにサラッとウサギの獣人混ざってるんですか?そういう世界観?
  現行1巻。これはずっと単行本を待ち望んでいた作品でした。
 廃道というのは要するに使われなくなった道のことで、廃道を探索する趣味を持つ人たちのことをオブローダーと呼ぶそうです。で、この作品はまぁ、分かりやすく例えるなら『ラーメン大好き小泉さん』の廃道版です。なんだそれ。
 かわいい転校生と仲良くなりたい主人公が彼女の趣味である廃道探索のお供を名乗り出るという感じで基本1話完結的なストーリーです。小泉さんと比べてこの作品のヒロインはもう少し愛嬌というか可愛げがあるのが特徴的ですかね。
 この作品は漫画部分だけでなく、各話の合間に挟まるコラムも面白いです。何回も何回も言うけどコラムが充実してたり参考文献がびっしり書いてある漫画が大好きなので。実際に廃道探索に行きたくなるような楽しいコラムですが、廃道探索はリスキーな行為なのでそこは注意しないといけないですね。

 現行1巻。これも地図を見て外を歩く(走る)話です。とはいえ分類上はスポーツものですが。
 扱っているのはアドベンチャーレースという競技です。コンパスと地図を頼りに指定されたチェックポイントを周る、オリエンテーリングみたいな競技ですね。どちらも薄っすらとしか知らないのであまり詳しい違いはわからないですが、この作品内で取り上げられているアドベンチャーレースでは藪の中や登山道を外れた場所などにチェックポイントが置いてあり、普通の登山以上に読図やルート選択の技能が求められるようです。面白そう。
 この手の作品は序盤に知識のない主人公が適当に山に入ったりするのがちょっと緊張感ありますよね。(やまさん等)ただこの作品では結構主人公にガッツがあるのでそこは安心です。それよりこの主人公に付き合わされるポケモンSVのボタンみたいな人がすごい頑張ってるのでそっちのほうが印象に残っています。
 競技の性質上地図とにらめっこする時間が長くなるのですが、見通しの良いところだと実際の景色を見ながら効率的に読図できるというのは面白い観点だと思います。何よりかっこいいんですよね、実際に見えているものが「これは何」ってちゃんと説明できることって。(あの頃の青い星等)総じて面白い作品でした。

 現行1巻。これも同じくスポーツもので、シンプルなバレーボール漫画です。ちなみに先の作品と同時期にCOMIC FUZで始まった同期作品ですね。
 スラムダンクとかAKIRAとか進撃の巨人のパロディやったりしていてかなりコメディ色の強い作品になっていると思います。『宙-chuu-』と比較するとこっちは今のところバレーのプレイそのものより人物関係や日常的なところを面白く描写しているのかなという感じですね。敵味方ともに面白い人がたくさん出てきてキャラが立っているのはスポーツものとしてちゃんと必要な要素が分かっていて好印象です。(誰目線?)ちなみにこの主人公も相当面白キャラしてます。
 全体的に明るく楽しい作風ではあるんですが、ちゃんと締めるところは締めていて、迫力あるAクイックの見開き描写やそれに対するそれぞれのリアクションも面白いです。1巻では初の練習試合が始まったところで、実際面白い試合が見られるかどうかはこれからですね。

 現行1巻。作画担当は『相沢小春は死に急ぐ』の胡原おみ先生です。
 現代の神社における経済問題を扱った作品。主人公は両親を喪って3000万の借金がある清田神社を一人切り盛りしており、そこに袴田(明らかに偽名)という怪しげなコンサルタントが現れ、2人で神社の経営を立て直していくというお話です。経済の話をしているので雰囲気としては『インベスターZ』とか『トリリオンゲーム』みたいな雰囲気ですかね?ただこの主人公はあれほど金稼ぎに積極的ではなく、「神社は金稼ぎの場所ではない」というスタンスをきちんと持っているのが好感触です。まぁその清貧の精神のせいで神社が潰れかけてるんですけど。
 袴田の「1円でもいいから俺に金を出させてみろ」という試練に対して、お賽銭という形で最低額の1円で突破するというシナリオは神社という舞台装置を活かした良いシナリオだったと思います。まだまだ始まったばかりですがちゃんと面白いので続きも楽しみです。

 現行1巻。てれびくんが全面監修している特撮部の女子高生の漫画です。
 美人なのにカメラが向くと意識しすぎて変顔になってしまう女優志望の主人公と、彼女を怪獣のスーツアクトレスとしてスカウトする特撮部のお話。高校生がこのクオリティの特撮作れるわけないだろ!というくらいのスーツやセットで特撮を「作る側」を描く作品です。
 特撮の技術というのは近年のCGの進化によってロストテクノロジーになりつつある(と思っている)んですが、その技術について裏話を詳しく描いてるのは貴重だし面白いと思います。とはいえ女子高生が60年代ごろの特撮の話で盛り上がってるの漫画で見てもマジかよと思ったりしますが。この作品も巻末の付録みたいな記事がめちゃくちゃ面白かったです。

 現行1巻。ここからラブコメゾーンです。ラブコメは何度も書いているようにちょっと苦手なジャンルなんですが。
 永遠の命を持つサメ人魚メイドのこさめと港町で暮らす青年ワタルのラブコメです。ふざけた設定に見えて2人の過去や背景、心証描写などちゃんとしっかりしていてすごくちゃんとラブコメしてるんじゃないかと思います。メインヒロインと主人公がちゃんと結ばれるところから始まる(と実質的に言っていい)作品というのはかなり貴重なのではないかと思います。
 作者はあとがきで90~ゼロ年代ビジュアルノベルの世界観を意識していると書いていました。そういうのが好きな人には特に刺さるんじゃないかなと思います。

 現行1巻。同じくラブコメ枠。変則的な?三角関係を描いています。いちばん苦手なやつじゃん。
 主人公-宮原(幼なじみ)-雪比良さん(主人公の好きな相手)で、主人公が雪比良さんにアプローチをかけようとすると宮原が引っかかってしまうという感じでお話が展開します。タイトルの通りですね。お前じゃないって失礼じゃない?
 本当にこの三角関係というのは、不幸になる人間が出てきてしまうのでそれが耐えられなくてこの先の展開を予測するのが辛いです。一つ一つのストーリー単体で見るには微笑ましくていいんですけどね。全員がちゃんと良好な人間関係を保てているので。
 原作は『ぐるぐるてくてく』や『今日から始める幼なじみ』でおなじみの帯屋ミドリ先生です。今日から~は電子版のおまけで1話が巻末についてきていました。

 現行1巻。これもラブコメでいいよな。ちょっとファンタジー要素が強いけど。
 魔法世界から来た魔女留学生と現実主義なひねくれ主人公のラブコメです。なんか魔女試験みたいなのがあってそのために人間の協力者が必要、みたいな話です。なんてラブコメに都合のいい設定なんだ……ちなみにこの人間と魔女のコンビは主人公組以外にもおり、他のチームとバトルしたりする要素も含んでいます。実際中学2年生の主人公がいわゆる中二病のことを認知していながら、実際に魔女との契約で手の甲に紋章が浮かんでしまってそれを隠さざるを得なくなるという展開や、主人公の姉がラブコメに飢えているせいでいちいち同居ラブコメのお約束を踏んでいくヒロインに喜んだりする展開があり、ある種の王道展開を踏襲していながらそれをメタ的に描写して面白くしているのが少し特徴的なのかなと思います。
 作者は『きんいろモザイク』『わかば*ガール』の原悠衣先生です。

 現行1巻。ネイルものです。そんなカテゴリあったっけ。
 元々プラモ好きの主人公が姉の影響でネイルもするようになり、それがきっかけで喧嘩別れしていた幼なじみと復縁していく……みたいな展開。一応ギャルとオタクっていうキャラ付けを外せばお話の構造は以前紹介した『ほどいて、むすんで』に近しいものがあると思います。
 ネイル自体に僕自身はあまり興味がないけど、知らない世界の話なので勉強にはなりますね。ただこういう化粧みたいなテーマを扱った漫画って、『PON PON PON!』って作品があったんですけど、漫画を積極的に読む層と読者層があまり重ならないから不利なテーマのような気がするというか、偏見なんですけどね。キューンじゃなくてアライブレーベルだからその点は、うーん、どうなのかな……

 1巻完結。SFラブコメ群像短編集みたいな感じでしょうか。
 3組の男女?の物語です。1組目はイケメン宇宙人を拾った女の子と幼馴染の話、2組目は人間に擬態している超存在とアイドルオタクの女の子の話、3組目は実家の神社で祀られてるお狐様と巫女の話。それぞれ超常存在といい感じの落としどころで関わる感じなので安心して読めます。特にメインフォーカスを当てられてる最初の組は結局地球での日常に帰着することになり、SFを少し不思議の範疇に収めていて、その距離感もいい感じだと思います。良くも悪くも短編集なので、良かったねという読後感が得られて良かったと思います。絵もかわいいし。
 この手の作品は倉橋ユウス先生の『ほしのうえでめぐる』がすごく好きなので、それを思い出してまた読みたくなりました。まぁあっちはこの作品と比べてちゃんとSF部分もしっかりしていて読解が難しくはなってるんですけど。

 現行1巻。これは……ラブコメか……?
 偶然魔界と繋がった東京(そのことは魔界側しか認識していない)を舞台に、人間世界の偵察のために人間の女の子に擬態して東京に送り込まれたグリーンスライムのミドリと主人公の少年の異種同居コメディ、だと思います。
 とはいえラブコメって感じではないですね。むしろこれはミドリが主人公として、任務の達成や自我の確立について思い悩む様子を描いているのがメインなんでしょうか。このミドリというキャラクターがちゃんとしていて、例えばとある人間の女の子をお手本にしていて性格や話し方を模倣しているので擬態中はタメ口だけど素が出ると丁寧語になったりとか、時々倫理観の欠片もない魔物特有の冷酷さを露わにしたりとかしていてそれが結構魅力的なキャラクターに仕上げているのかなと思います。スライム娘が出るだけの性癖漫画じゃないってことですね。いや、そんなことないかも……
 時々通信してくる魔王がすごく常識があって優秀なのでそれでギリギリ物語が成り立ってるまであると思います。とはいえ魔王の能力が多岐に亘りすぎてそれができるならミドリを潜入させる必要ある?って気に時々させてきますが……

 現行1巻。これも、ラブコメか……?
 一応剣と魔法のファンタジー世界を舞台にしてはいるものの、かなりギャグに寄せたというかこれはギャグマンガですね。てっぺんまで登ればどんなに強力な呪いも解くことができるという高い塔の形をした迷宮に挑む4人組の漫画です。主人公は半径10メートル以内の魔物を強制的に魅了する呪いがかけられており、その他呪われてたり呪われてなかったりする愉快な仲間たちと共に、各階層を守る愉快な魔物たちと愉快なバトルを繰り広げます。
 書いてある通り愉快なギャグ漫画なので気負わずにふんわり楽しめるのが良かったです。作者の鬼龍駿河先生は『百合に挟まれて、エスパー!』や『カントリー少女は都会を目指す!?』の人ですね。カントリー少女の2巻、ずっと待ってます。

 現行1巻。これは百合ですね。いわゆる吸血百合というジャンルです。……本当に存在するんですよ?そういうジャンルが。
 主人公は(なぜか)住み込みの働き口を探しており、怪しげな噂の絶えないお屋敷でメイドとして働くことになるが、実はそこの女主人は元人間の吸血鬼であり、色々あった末に主人を人間に戻すために奔走することになるというお話。むしろフォーカスされるのは吸血衝動や人間としての自意識の揺らぎに苦しむ主人の方なのかなという感じ。
 吸血衝動が出た際に血を吸わせることに同意した主人公ですが、その行為は主人を人間に戻すことから離れていく方向の者であることは示唆されています。今後どうなっていくのかが気になる点ではありますね。

 現行1巻。これも変な百合カテゴリですかね。
 人里離れた全寮制の忍者の女子校の話……っていうのはいいんだけど……あの、ベッドシーンまでのスピード感が早すぎるんですよね。要するにそういう漫画という認識でいいと思います。途中にお嬢様学校潜入編が挟まったけどなんか設定もキャラの動きもなんかあれだったし。

 現行1巻。これはまぁ、日常系4コマでしょうか?
 社会人3年目のOLをやっている主人公のもとに、漫画家をやっている友人が転がり込んでくるという始まりの日常ストーリーという感じです。まんがタイムレーベルっぽい雰囲気というか、この手の作品はキャラクターだけ生み出しておけばあとはさんま御殿みたいなしゃべくりをさせているだけで一応漫画として成立しているとしているみたいな節があるような気がしています。(偏見)なんか微妙に価値観が古いというか、2023年に刊行される作品としては違和感があるな……と思っていたら、あとがきに「やっとこの作品の権利が作者に戻ってきました」とか書いてあって、奥付をみると自力出版とか書いてあって、なんかこう、背後にすごくややこしい問題や苦労があったんだろうなという感じがしました。2017年くらいの作品だったようです。あとまんがタイム芳文社ですね。

 現行1巻。いま台湾が熱い!
 家庭の事情で台湾に引っ越すことになった主人公の日常もの。いわゆるご当地ものの作品と言えると思いますが、舞台が日本じゃないということでかなり文化の違いが見られていいですね。
 KADOKAWAは結構台湾コミックを出していて、この作品の作者さんも台湾出身の方のようです。なんというか文化の多様化を感じる今日このごろですね。何だこの結び。

 上下巻完結もの。これも台湾コミックです。
 孤児のヘレナと絵本作家のオオカミさんの物語。作品を創作するという行為について掘り下げていく感動系のヒューマンドラマだと思います。
 可愛らしい絵柄とは裏腹にストーリーはかなりえげつないです。僕は普段漫画を買うかどうか判断するとき、WEBにたいてい公式で上げられている試し読みをして判断することがほとんどなんですけど、この作品は単行本オリジナルの描き下ろしとして前日譚を1話の前に持ってきており、この主人公が両親を失い弟が事故で植物人間になるまでの様子を事細かな心情描写を含めて描いており、キッツ……となりました。さらにすごい展開が連なっていくものの、それでも最終的にハッピーエンドっぽくなってるあたり良かったと思います。

 現行1巻。ここから胡乱なラブコメ?ゾーンに入ります。
 これはいわゆる逆異世界転移ものですね。めちゃくちゃ強いけど女性耐性のない主人公のシバが、彼の子供が世界を救う勇者になると予言されて、迫りくる求婚から逃れるために日本に来て、縁結びの神になりたいと自称する頭のおかしい女子高生のミケとともに、納得のいく結婚を目指して奔走するというお話。頭のおかしい婚活ものとして言うとほとんど『マリッジトキシン』なんですが、これを読んでいるとマリッジトキシンってまだまともで面白い漫画だったんだな……と実感してしまいます。だって最初の婚活相手の人がそのお話の終わりに鞄から大量の札束出してきてそれで資金問題やなんやかんやを一挙に解決してくるんだぞ?それをしていいならもうなんでもいいじゃん……
 1巻では最後にメインヒロイン?と言えそうな聖女のソマリが異世界からやってきて終わりという感じ。もうここがくっついたらこの話は終わりだし、それでいいんじゃないかな……

 現行2巻。作者は『ダイガクちゃん×はいすくーる!』の馬かのこさんです。
 主人公はいわゆる宗教2世で、そのせいで家庭崩壊していたりいじめを受けていたりしていて、それはそれとして隣に住んでいるお姉さんが実は天使で倫理観を欠片も持ち合わせてなくて、なんやかんやで世界を崩壊させてしまい、それはそれとして2人は結婚を約束します。何それ?
 一応まだまともな天使たちがいるのが(世界にとっての)救いではあるんですが、この主人公は世界を呪っているのでこの崩壊した世界を肯定しており、そのせいでもうどうしようもなく手が付けられない状況になってしまっています。ど、どうやって終わるんだこれ……一応未回収の伏線や謎はたくさんあるんですけどね。

 現行1巻。ここからまともなファンタジーです。原作は昨今話題の『薬屋のひとりごと』の日向夏先生ですね。とはいえ僕は薬屋のひとりごとはなんか合わなくて未履修なんですけど。アニメなら今後見るかもですが。
 この作品では主人公は神官見習いでありながら酒場での賭博で荒稼ぎして「豪運の聖女」と呼ばれており、それが「祝福」という能力によるものかと怪しげな貴族の兄ちゃんに詰められ、主人公は無能力だけど圧倒的な記憶力・観察眼・推理力で勝ってたんですよと説明した結果、能力者が跋扈する神子選抜試験で過去の神子候補殺人事件の謎を解くよう求められる、という話。舞台装置が色々異なるものの流れというかストーリーの本質は薬屋に近いのかもしれません。薬屋よく知らないけど。
 漫画ではまだ物語は始まったばかりですが、今後他の神子候補との交流や本格的な推理が始まると思うと楽しみですね。

 現行2巻。これはツイッターのTLに回ってきた広告で知った作品ですね。確か先のスライム娘〜もそうだった気がします。
 病で衰弱死したニア嬢の肉体に反魂術?的なやつでめちゃくちゃ強い武人の魂が入れられ、その持ち前の強さで病魔を打ち破り、武の者として再びこの世の頂点を目指す、みたいなお話。
 一応マジックビジョンとかいうやつがあってユーチューバー的な活動をして頑張ろうみたいなメインストーリーがあるものの、基本的には暴力の漫画です。いや、僕はあんまり暴力の漫画って読まない方なんですけど、暴力ってあるとそれだけでコンテンツとして成立するんですね。あとまぁキャラクターがかわいくて、主人公は頭おかしいんだけどそれだけに留まらず他にも頭おかしい人がそこそこ出てくるので結構愉快な作品になってるのかなと思います。

 現行1巻。これはちゃんとしたファンタジー……かな?
 魔女って書いてるけど主人公は男です。男の魔女。何それ。
 スラム街みたいなのが広がってる架空の日本が舞台で、魔女というのは魔法を使える人間だけど魔女術という錬金術系の技術体系もあり、主人公は元々そういうのに長けているタイプでしたが、違法取引されている杖の女の子(女の子自身が魔女の杖としての能力を持っているという意味)(?)を保護し、そのせいでさらに追われる立場になってしまうという内容です。基本的に限られたリソースを削りながら逃げていく話なのでまぁしんどい展開が続きます。早く彼らに平穏が訪れてほしいなぁと思いながら読んでいます。

 現行1巻。これは……乙女枠ですかね?
 王国に輿入れしてきた従属国の王女が主人公。婚姻の儀式の際に悪い魔女と思わしき人間と体を入れ替えられ、魔女としての能力と王女としての責任から解放されたことに喜んで、荒んだ生活をしていたであろう魔女の生活基盤を整えていくお話。
 まだ1巻だけなので物語の全貌が見えていないのですが、今後魔女となった主人公の他者との交流や、逆に王女の方の様相がどうなっているかとか、その辺が今後描かれていくんでしょうね。そっちのが面白そうだからちゃんとそっちも早いこと描写してこういう展開ですよって示してもらえると助かるんだけど……

 現行1巻。これも乙女枠?
 ルカニアという馬が致命傷を受けて気がついたら人間の姿になっていて、ブライトネスという記念日までに主人のラディウスになんかうまい事してあげないといけないみたいな話。これがウマ娘ですか。
 ルカニアを喪ったことで人間不信になりつつあるラディウスをなんとか元気づけようとするルカニアが健気で良いです。というかルカニアのキャラクターが良いですね。乙女系の作品は主人公が魅力的だと良いですよね。

 現行3巻。最後の枠も乙女枠ですかね。
 辺境でいじめられながら細工作業に勤しんでいた主人公が、「祝福」の才能を見出されて王国に連れてこられ、亜人族に対する強い差別意識を持つ王妃に対抗するために力を貸すことになる、みたいなお話です。
 まず、主人公のキャラとビジュアルがいいんですよね。序盤のぼさっとした感じとか、それを指し示す適切な言葉がないからうまく表現できないけど、『ひなろじ』の1話序盤のリオンみたいな、あの感じすごい好きなんですよ。
 それから漫画の表現もいいんですよね。途中に挟まるお洒落なコマ割りというか、机の上の小物をコマにして多角的に表現するみたいなのが時々挟まって、それもおしゃれでいいんですよね。
 あと、描き下ろしの幕間に挟まるキャラクター設定画についてもすごい良いです。設定について文字とかできちんと書いているわけではないんですが、すごくキャラについての設定が丁寧なことが窺えるんですよね。服飾の設定もすごく緻密だし。
 そういうわけですごくおしゃれで丁寧な漫画ですごく良いです。例えるなら『ハクメイとミコチ』とか『ブナの森のアリア』みたいな良さがあります。伝わるかな……


 はい、以上です。気づいたら年明けてましたね。こんなはずでは……
 最後に続刊について。以下の作品が完結しました。

・蜂も刺さずばうたれまい
・ブルーブロッサム
☆きららファンタジア
カニバルカーニバル!
★主人公じゃない!
★まだ間に合う!明日処刑される悪役令嬢ですけど、スチル回収だけはさせてください!
・ごくちゅう!
・ポストキッズ
☆マグロちゃんは食べられたい!
☆ササエルの中には誰もいない

 続いて、以下の作品の続刊が出ました。

・ペンションライフ・ヴァンパイア
☆隣のフィギュア原型師
・クズ浪人生、人生が辛いので夜のお姉さんを呼んでみた
☆逢沢小春は死に急ぐ
・女刑事と犯人の乙女ゲー転生
☆つばめアルペン
★針と羊の舟
・ペンと手錠と事実婚
・ほぐして、癒衣さん。
★大正忌憚少女
・転生大聖女の異世界のんびり紀行
★恋文と13歳の女優
☆見えてますよ!愛沢さん
★やまさん~山小屋三姉妹~
・僕の呪いの吸血姫
・変人のサラダボウル
★余命2ヶ月の異世界健康法
★つらねこ
・マリッジトキシン
・少女怪異紀行
・鍋に弾丸を受けながら
☆酒と鬼は二合まで
RTA走者はゲーム世界から帰れない
・花は咲く、修羅の如く
マスケットガールズ!
・この世で一番素敵な終わり方

 以上です。あけましておめでとうございます。おやすみなさい。