どんぐりあつめ株式会社

ここはとある森にある動物たちの会社だ。今日も動物たちが元気に働いているぞ!ちょっと覗いてみましょう。


……


「なぁお前、今の状況分かってんの?」
「はい……」
「どんぐり集めてくるのはいいんだよ、たださ、これいつまでにやる仕事なの?」
「今日までです……」
「で、もう4時半だけど。わかってると思うけどさ、どんぐり集めて終わりじゃないんだよ。ちゃんと検品して納品するまでが仕事なの。ちゃんと理解してる?」
「すいません……」
「だいたいさ、これの締め切り今日までだってずっと前から分かってたじゃん。なんで先週のうちから手つけてなかったの?」
「その……先週は松ぼっくり集めに追われてまして……」
「そう、俺は何でか知らないけど先週松ぼっくり集めしてたよな。俺それ見ながらさ、松ぼっくり集めつつ一緒にどんぐりも集めてたらもっと効率的だなって思ってたし、何ならそうしてると思ってたんだけど。なんでそうしなかったの?」
「すいません……」
「すいませんじゃなくて。理由を聞いてるから」
「あの……きのみ集めに出るとき申請書出すじゃないですか、あの時は松ぼっくり集めで申請出してたので、どんぐり集めるのは違うかなって思いまして……」
「違わないよやればいいじゃん。みんなそういうのでうまいことやってんだよ」
「はい……あと、その……僕自身があんまりまだどんぐりに詳しくなくてですね……ちゃんと勉強してからどんぐり集めしたほうがいいかなって思いました……」
「そうなんだ。勉強したの?」
「……」
「してないんでしょ?」
「いや、あの……しました……」
「したぁ?本当?じゃあ聞くけど、このどんぐりはなんていう種類?どういう時に取れるやつ?」
「いや、あの……すいません、わからないです」
「してないじゃん勉強。じゃあ後回しにした意味ないよね」
「すいません……」
「あのさ、俺が何言いたいかわかる?」
「……あの……」
「うん」
「…………すいません、わからないです」
「うん。だからさ、お前がいきなり他の人と同じレベルでどんぐり集め出来るようになるなんてこっちも思ってないんだよ。経験も違うし。その上でどのぐらいがむしゃらにどんぐり集められるかってのをこっちは見てんだよ」
「はい……」
「なんていうか見てて必死さが足りないんだよね。先月もこんなことあったじゃん。その分頑張って取り返してやろう、みたいな、そういうのが感じ取れないんだよお前から」
「すいません……」
「もういいから。もう時間ないし検品するぞ」
「すいません、お願いします」

……


「58、59、60。あれ、60しかないじゃん。60納品しないといけないのに?」
「すいません……」
「どう贔屓目に見てもこの7個は品質が粗悪だから、うん、じゃあ今からぱっと集めてきて?」
「あっ、でももう5時半ですけど」
「いいから早く」
「あっはいわかりました」


……


会社に戻り、納品用のどんぐりを揃え終わり、PCをつけると上司が各方面に謝罪のメールを入れているのをCCで共有されている


(ここまで書いてマジで具合が悪くなってきたのでやめます)