きららファンタジアが終わるので漫画版きららファンタジアの話をする

 きららファンタジア、終わっちゃうんですね。(つい先月までぼざろ参戦で盛り上がってた気がしたんだけど……)
 昨今は特にソーシャルゲームのサービス終了ニュースを多く聞くような気がします。アトリエオンラインの終了あたりから始まり、ラピライやショバロもソシャゲ展開を畳んでしまうのはショックでした。ゆゆゆいやダンマクカグラはコンシューマ版の開発が進んでいるらしく、そういった形でファンに還元できる仕組みを残してくれるコンテンツは偉いと思います。ゆのはなや俺ステは……
 僕はソシャゲをほとんどやっていないのでこういった話に口を挟む権利は無いし、その資格もないと思っています。ソシャゲはどうしても携帯端末の内部容量という問題を抱えているのが難点ですが、最近携帯を買い替えたので新たにアイプラのログイン勢を始めました。これがアイプラの助けになるのかどうかはよく分からないですが。エンゲージキスやシャインポストもソシャゲ展開を目指しているとのことで、できる限り応援していけたらいいなぁと思っています。

 さて、本題に移ります。きららファンタジアは公式コミカライズされています。1巻が2020年4月に発売され、現在4巻まで連載が続いています。作者は『がんくつ荘の不夜城さん』の鴻巣覚先生。重度の太ももフェチ。

 ストーリーの本筋は悪い人たちが世界を破壊するため、主人公側がそれを阻止するためにそれぞれきらら作品から登場人物を召喚する、みたいな話(超ざっくり)。こうして書くと急に異世界に召喚されるきらら作品の皆さん可哀そうだな……ちなみに、ストーリーは章立てされており、それぞれの章でメインになる作品が変わっていきます。1章がひだまりスケッチ編、2章がNEW GAME!編、そして現在進行している3章ががっこうぐらし!編です。確かソシャゲのほうのメインストーリーとリンクしていたような気がする……(ソシャゲを全く触っていないので何も分からない)漫画版のオリジナル要素として、それぞれの章で主人公陣営が呼び出す仲間たちが章ごとに統一されています。サトシパーティみたいなものですね。

『きららファンタジア』1巻 p152-p153より引用

 1巻を読んだ時には「丁寧にソシャゲを漫画化してるんだなぁ」とか、「きらら作品は暴力が少ないから、キルミーベイベーのやすながタンク役としてボコボコにされるのはある意味理に適っているのかもしれないなぁ」みたいに考えていました。

『きららファンタジア』2巻 p6-p7より引用

 2巻でも引き続きやすながボコボコにされていたり、

『きららファンタジア』2巻 p24-p25より引用

 ごちうさのココアが領域展開したりしていました。あとはひだまりスケッチの面子が頑張って章のボスを倒すんですけど、ひだまりスケッチは(あんまり記憶がないけど)肉弾戦のシーンがあるわけではないし、ココアもごちうさで(僕の知っている限りでは)領域展開をするわけではないし、ここまでの感想は別にきららキャラでやる内容ではなくない?という感じでした。つまりほぼ原作通りの活躍をしていたのはやすなだけだったのだ!

 場面は移り、2章のNEW GAME!編が始まります。正直この章から大きくこの漫画への評価が変わりました。
 2章での頼れる仲間はこみっくがーるずの琉姫、ブレンド・S夏帆、そしてまちカドまぞくのリリスです。

『きららファンタジア』2巻 p138-p139より引用

 僕がまちカドまぞくに脳を破壊されていることは皆さんご存知のことかと思います。正直ここまで登場したきらら作品のほとんどがアニメを1回見た程度の記憶しかなかったというのもあると思いますが、まちカドまぞくに関しては原作を何十週もしたのでだいたい元ネタのあるシーンが分かるんですよね。例えば上記の召喚シーンではリリスが闇の魔女なのに土属性なことが半ばネタのように扱われています。もちろんドアストッパー土人形に数千年封印されていたという設定で納得できますが、さらにまちカドまぞくの原作3巻(アニメ2期)ではリリスが暗闇恐怖症であることが明かされています。

『まちカドまぞく』3巻 p67より引用

 続く3巻、NEW GAME!編が佳境に入ってくるとさらに面白さが増してきます。

『きららファンタジア』3巻 p31より引用

 NEW GAME!の根幹と対をなす“怠惰”の擬人化みたいなすごいビジュアルのボスキャラが特大ブーメランを投げてきたり、

『きららファンタジア』3巻 p40より引用

 ゲーマーである夏帆が実はイーグルジャンプ(青葉たちの勤めるゲーム制作会社)を認知していたことが明らかになったりします。クロスオーバー作品ならではの描写が3巻にしてようやく見れました。公式でそんなことしていいんだ……

『きららファンタジア』3巻 p123から引用
『まちカドまぞく』2巻 p105より引用

 作戦を立ててる時のごせんぞの説明用画像はまちカドまぞく本編の「家族四人で月四万生活の呪い」の解説が元ネタですね、犬が蛇になってます。分かりやすく運勢が悪い状況をソシャゲで例えているので夏帆は震えていますね。ちなみにまちカドまぞく6巻ではシャミ子がちょっとスマホゲーに課金してることが明らかになる回があります。単行本73ページを見てみよう。

『きららファンタジア』3巻 p140-141より引用

 原作では封印空間の飾りつけにしか使ってなかったどこかから吊られてるキラキラした飾りつけを使って夏帆のことを援護したり、

『きららファンタジア』3巻 p143-144より引用
『きららファンタジア』3巻 p152-153より引用

 何故か原作に一切存在しないごせんぞのめちゃくちゃカッコいいバトルシーンです。本編ではゴミ姉貴呼ばわりされてるのが信じられないな……
(ちなみに余談なんですが、まちカドまぞくには公式アンソロジーコミックが存在しています。もちろん目を通していますが、めんどくさい原作至上主義オタクなのでアンソロジーは自分の解釈力が試されるバトルだと感じているので読むのがしんどいんですよね。偶像崇拝を禁止する人じゃん。でもこのごせんぞは本当にカッコよくて、でもほどほどにカッコ悪くて、解釈が完全に一致する最高のスピンオフだと思ってます。これが言いたくてこのブログ書きました

 随所にまちカドまぞくへのリスペクトを感じられてすごい良かったです。ちなみにエピローグでごせんぞは夏帆のことを「桃のような脳筋タイプだと思っていた」というような発言をしますが、夏帆と桃は中の人が同じ(CV:鬼頭明里さん)というネタからの発言だと思います。自分はまちカドまぞくを専攻しているからこの3巻でめちゃくちゃテンションが上がってしまったけど、つまりこのくらいきららのほかの作品を愛していればその分楽しめる作品になっているはずです。(アベンジャーズ系の作品だからそりゃそうなんだけど)


 最新4巻はがっこうぐらし!編。何を隠そう僕はホラー耐性が全くないせいでがっこうぐらしが怖くて見れなかったんですが、この章ではゾンビがいっぱい出てくるし、原作でもちゃんと戦える人がたくさん登場します。

『きららファンタジア』4巻 p57より引用

 ゆるキャン△のリンちゃんも砂漠で巨大サソリを倒したりします。このページめちゃくちゃ笑った。「買っちった」のパロディですね。

ゆるキャン△』2巻 p62より引用

 がっこうぐらし!編では学園生活部の面子が、元の世界に戻る必要などないのではないか? と提案され、自分たちのいるべき世界について考える、というのがストーリーの根幹となります。その話については本編のほうでちゃんと議論がなされていたのでみーくんもちゃんと意思表示をして、それではいよいよ全面対決、というところで5巻に続きます。

『きららファンタジア』4巻 p128より引用


(このシーンの解釈のためにがっこうぐらし関連のピクシブ百科事典を隅々まで読み漁りました)


 長々と続けましたが、とにかくきららファンタジアの漫画は回を追うごとに面白くなっていき、好きな作品があればさらに楽しめる素晴らしい漫画です。ソシャゲの展開が終了することで漫画版にどういう影響が出るかも不明ですが、たかがソシャゲのコミカライズと侮らず手に取っていただけると嬉しいです。ソシャゲやってたら良かったかなぁ……

 最後に。きららファンタジア公式ホームページにはゲームリリース前にゲーム紹介用として書かれた漫画が公開されています。
おしえて!きららファンタジア(最終回)|おしえて!きららファンタジア|MANGA|きららファンタジア 公式サイト
 漫画担当は有馬先生。『はんどすたんど!』の作者ですね。はんどすたんどは本当に大好きで、でもこれを読んでいるとはんどすたんどがどうしても脳裏にちらつくので、有馬先生にとってはんどすたんどを書けたの本当に作者のセンスが最高に噛み合った奇跡の漫画だったんだなぁ……って思います。今でも定期的に読み返しています。おすすめです。