このマンガを読んだ!2021上半期

毎年毎年書く量が多くて年末の負担になっていたこのブログ、今回から年2回更新にしたいと思います。
(追記)↑書いてから2週間経過しちゃった。7月1日にアップする予定だったんだけど……これ書くのめちゃくちゃめんどくさいし時間かかるんだよ……

まず私事ですが仕事を辞めたので収入がなくなり、漫画にあまりお金を使えなくなってしまいました。
そして各地を放浪する旅が始まったのですが、旅をするうえでテントを張った後の夜の時間や雨宿りの時間に電子書籍が大活躍することになります。
それから4月にはDMMブックスの7割引きキャンペーンがありましたね。がっつり漫画を購入しました。
ということで今までと実はそんなに変わらない量の漫画を買っていると思います。破産しちゃう……

今回もしっかり1万文字超えてますので心して読んでください。よろしくお願いします。

・完結済み

高校浪人の女の子が音楽の創作活動をしたりするお話。全2巻。
最初のほうは普通の(宅浪生の普通って何だ……?)日常ものみたいになってるんですが、メインの登場人物4人それぞれの想い(創作活動についてだったり、将来や家のことについて)を見つめなおして落としどころを見つけて決着をつけていく、という、しみじみといいな……と思わせてくれるいいお話でした。こういうことを成長というのかもしれない。
多少のネタバレを許してほしいんですけど主人公のソラミちゃんは近しい人を亡くしていて、そういう“遺された人”のお話、という点では最近読んだ『息子の嫁』を思い出します。こちらもぜひ。

去年読んだ『鉄道少女ふたり旅』の山口裕先生の作品です。こちらも九州のローカル鉄道に関するお話。全3巻。
四コマ漫画だしお話の緩急とかで面白いわけじゃないんですけど、田舎の無人駅でゆっくり時間が流れるような空気感、新しい母親とうまく馴染めない主人公の心の葛藤と成長、あとローカル路線と妖怪と猫が好きなら楽しめると思います。

イメージは北朝鮮でいいのかな?全4巻。
太平洋に浮かぶ島国“コルドナ社会主義共和国”の最高指導者は9歳の女の子、みたいなお話です。以上。
これといって主力産業のないコルドナは全体的に貧しい国家ではあるんですが、そんな中で国のトップとして頑張る女の子が見れます。基本的にギャグです。
やっぱり登場人物がみんな生き生きしている漫画は面白いですし、時々語られるシリアスパートも読みごたえがあります。最終回だけちょっと急ぎ足だった感じはあったけど……

日本一周のおともに。全4巻。
基本的に“アウトドア部”なる部活動のお話とラブコメ(?)です。だいたい1話完結で日本各地の面白スポットに行くような感じで、各話1回見開きカラーページで絶景イラストが出てくるので電子書籍だと感動が薄い迫力があっていいんじゃないでしょうか。旅に出たくなる、というか、旅に出るきっかけが欲しい人におすすめです。
ブコメ部分はなぁ……僕がラブコメ全然楽しめない人間なので……(じゃあ読むなよ)

サクラクエストって富山の話だったの覚えてます?全2巻。
サクラクエストで一番オタク受けしそうかわいい(諸説あり)と話題のUMA大臣・織部凛々子さんを主人公とするスピンオフ作品になります。詳しくは本編を見てくれよな!
(ここだけの話、富山には行く予定があるし本編1回通して見ただけであんまり内容覚えてないし見返そうと思っていたらアマプラは疎かdアニメにすら公開されてなかったので詰んでます)
こっちも1話完結で読みやすいし、絵もすごくかわいいのが良いですね。作画は最近完結した『桃ノ木家の四姉妹』でおなじみのまっくすめろん先生です。

気がついたら終わってた……全2巻。
廃部寸前のゲーム研究部でVRレースゲームをやるというお話です。かなりガチのスポーツをやるぞという気概を感じます。嘔吐シーンあり。
主人公は人間のわずかな筋肉の動きとかを見てコピーできるという咲で見た特技があるほか、本格的なカーレースでありながらゲームであるという仕様の差を利用した戦略の駆け引きが見られるのが良かったです。ガンゲイル・オンラインや広義ではDr.STONEアメリカ編での攻防もこれに近いと思います。見てね。
2巻で完結しちゃいました。ウケなかったんだろうなぁ……

ウルトラ怪獣擬人化本ではありません。全2巻。
人を襲い町を破壊する「怪獣」が日常的にやってくる世界で生活する普通の?女子高生たちのお話。こういう世界観で非戦闘員たちが主役を張るのは珍しい気がします。本当か?

気軽にデスゲームをやるぞ!全2巻。
僕の大好きな漫画の一つである『言ったよきいちゃん!』でおなじみのコニシリュウイチ先生の作品です。やっぱり擬音が特徴的でそっちに気をそらしてしまいますね。
好きな男子との会話の糸口としてデスゲームを選択するヤバい主人公や意味不明の世界観はもちろん怒濤のボケとツッコミの応酬でめちゃくちゃ笑える作品だと思います。品はないけど。ここだけの話、僕は漫画に限らずあらゆるものについて品性を重要視しているという自覚がなんとなくあります。ここだけの話何回すんの?

なぜここに百合漫画が……?全1巻。続き物かと思ってました。
僕の大好きな漫画の一つである『カントリー少女は都会をめざす!?』でおなじみの鬼龍駿河先生の作品です。ところでカントリー少女の2巻は……
この漫画の話をする前に、まず“百合”というジャンルについてのお話をしなければなりません。軽く。
百合というジャンルは(百合に限らない。あらゆるジャンルは)帰納的である必要があると思っていて、演繹的になってはいけないと思っています。
要するに、「この作品は百合ジャンルにカテゴライズされる要素がある!」はOKで「百合ジャンルにすべからく該当するこんな話をしよう!」は控えるべきだという持論です。あくまで僕がそう思ってるだけです。
例えば「百合に挟まれようとする男を殺す」みたいな話がミームとして流行ったのはもう10年くらい前になるかと思いますたぶん。だから百合という言葉を聞いて脊髄反射的に挟まれる男の話をするのはナンセンス極まりなく、流石にもう誰もそんな話してないよとなるわけです。信じられないと思いますがいるんですよ。そういう人。ポケモンのコイルと聞いて第2位とか言ったりブースターと聞いて唯一王とか言ったりを脊髄反射的にする人について苦言を呈するポケクラの人がいましたがそれと同じだと思います。価値観は常にアップデートするべきで、ある価値観がミームとして広まっているときにそれを使い続けるのは危険だぞという話でした。
あ、さらに関係のない話ですがさっき“ナンセンス”という言葉を使いましたが、この言葉はこの文脈で誤用ではないものの、“ナンセンス文学”というジャンル名にすると全然意味が変わってきて、こちらの使い方ではネガティブな意味がまるでないんですよね。僕は不勉強ながら最近知りました。
さて、この漫画の話に戻ります。この漫画もタイトルが『百合に挟まれて』とか書いてるので僕はすごく危険視していたんですよ。でも作者の鬼龍駿河先生は信頼のおける人物だしなぁ……と思って購入しました。

面白かったです。

主人公は表紙の真ん中に描かれているスプーンを曲げている人物。エスパーであるがスプーン曲げしかできない彼女はある日唐突に『百合を受信する能力』を得ることになります。それでいて友達二人の恋心を知るのですが、その恋路に自分自身が障害となっていることに気付いて苦悶するというお話です。
やっぱり先生は漫画が上手いのでそれだけで面白いです。タイプの違う3CPが登場するんですがそれぞれキャラクターが面白いですし、個人的にはみずひよをもっと見たかったですが……さらに終盤の主人公のセリフ(独白)、「曲げろ スプーンみたいに」の件りめちゃくちゃ好きです。お前が主人公だよ……かっこいいし、エスパーとしての必然性もある最高のセリフ……
ということで非常におすすめの1巻完結の漫画でした。


・連載中

僕が今一番注目している漫画です。既刊1巻。
魔法使いの存在を観光資源としている“ホレンテ島”は太平洋に浮かぶ小さな島。江戸時代の話をしているしがっつり日本です。
そんな島の中で観光に来ていた主人公・貰鳥 あむ(もらとり あむ)はこの島で本物の魔法使いを見かけ、その正体を探るべくこの島に引っ越してきます。
実はこの島には魔法(超能力)が実在し、その能力者たちも詳しいことが分かっておらずそれぞれ独自に調査を進めていきます。
主人公・貰鳥 あむ(もらとり あむ)を中心にそれぞれの人物が独立して調査を行う、もしくはその妨害をする・秘密を守ろうとするという群像劇の様相を描いています。
島の産業やインフラ・歴史などについて相当設定が練りこまれており、やたらとWikipediaが充実しているそういう観点で物事を楽しめる人にはさらにおすすめです。“ざんねん坂”のシーンは最高。ちなみにこれを書くにあたって調べたんですがこのお話の固有名詞はグリム童話の『美人のカトリネルエとピフ・パフ・ポルトリー』をベースにしているんですね。考察が進みそうです。
さらに見どころの一つとしてこの漫画は4コマであるにも関わらずミュージカル要素が充実しており、かなりの頻度で主人公たちが歌って踊り始めます。めちゃくちゃいい。総じて大好きな漫画です。
ただ、ここまで書いて分かる通りきらら四コマ、謎解き、能力バトルに見せかけた暴力バトル、群像劇、地理・民俗学、ミュージカルというジャンル過多でありそれぞれ好き嫌いが分かれるところではあり、少ない人間に深く刺さるような作品になっていると思います。僕は深く刺さった側の人間なので、人気出てくれ、ずっと続いてくれ……と強く祈るばかりです。頼む……

双見酔先生は天才なんだよなぁ~~~!!!既刊1巻。
ダンジョンがあり、モンスターがいて魔法がある世界。父親を見つけ出すという使命の元ソロでダンジョンを攻略していたバカ強シーフのクレイはついうっかりダンジョンの裏側を知り、その運営として雇われることになる……というお話。
ダンジョン運営ものというジャンルは現在は割と多いのかなと思うんですけど、(僕は絶対に働きたくないダンジョンマスターは~しか読んでないけど)この漫画はストーリーの進行という面ではまだ全然ですがやっぱりキャラクターが魅力的で絵もうまくてお話も面白くて最高ですね、流石は双見酔先生です。双見酔先生が好きなだけでは? そうだが……

これ好き。コネ・カネ・ホネ!既刊1巻。
ドラゴンの気まぐれで拾われた主人公(7歳くらい?)が強かに生き抜くお話。ファンタジー世界ではあるけれども日本が出てくるわけではない、という点ではひとつ前のものと一致してますね。
お話のテンポ感は確かになろう系を彷彿とさせる感じがあるので読みやすくて楽しいです。そしてキャラクターもとても生き生きしているので掛け合いだけで楽しいやつです!最高!

永世留年王って何?既刊1巻。
まんがタイムきららの4コマですね。それぞれが別の理由で高校1年を留年してしまった3人を中心にした学園コメディです。『スロウスタート』とは似てるかもしれませんが留年は周知の事実になっているのでそこが違いますね。いやそもそもが全然違う作品なんですが。あっちは生徒×教師の激重感情百合が描かれているので…… それ言ったらこっちにも激重感情百合あるだろ……
留年抜きにしても普通に学園コメディとして楽しい漫画です。それに加えて登場人物たちの留年に対しての価値観とかも面白いですし、さらにまだ明かされていない過去についての伏線が散見されるので全く目が離せないですね。2巻以降も楽しみです。
ところでここからは読んだ人向けの話を少しだけさせてほしいんですが、89ページ、喋ったら腹筋の回でそのルールを提案したのは阿野なんですがそのルールの紙の筆跡が阿野の筆跡と一致してるんですよね。こういう細かいところをしっかりと読み込むことが読者としての漫画への礼儀だと思っていて、(実際は全然読み込めていないでしょうが)何回も漫画を読んでそのたびに新しい発見があるというのも楽しいです。まちカドまぞくもそうでした。まちカドまぞくを完全に理解したい気持ちはあるけど完全な理解はできないんだろうな……

これ好き!!既刊2巻。
僕の大好きな漫画の一つである『牧場OL』でおなじみの丸井まお先生の作品です。前作と同じくお仕事ものというジャンルになるかとは思いますが、前作が何も知らずに牧場に放り込まれた主人公を通して描かれる作品であったのに対してこちらの主人公はバリバリ現職の原型師となっており、素人目線としての立場はカフェ店員のせっちゃんさんに譲っている構成となっており、その分キャラクターの幅が広く賑やかな作品となっていると思います。
絵がかわいいのはもちろん、お話全体の構成やフィギュアに限定しないネタの数々など最高に面白い漫画です。大好き!

ついに単行本来ましたね。既刊1巻。
昨年はまだ単行本が来てない状態でサラッと紹介したんですけど、まぁ詳しくはそっちを読んでねということで。端的に言うと終末世界ものを並列につなげて探検をして最終的に弔おうというお話になります。謎解きのような側面も無きにしも非ずですが弔いの形というのは結局各人が納得できるかに依るので合理的な解釈を行い真相を暴く、というスタンスではない、その場に流れる滅びの空気感を味わうという風に楽しめればいいのかなと思います。

これは連載中って括りでいいのか?既刊2巻。
僕自身はPalcyというWeb漫画サイトで連載されているのを完結まで読んだので……もちろん単行本も買ってますよ。
持病があり余命宣告をされたうえでその余命を超えて余裕で生き長らえている主人公と、同じく余命宣告を受けた大学の先生の“死にぞこない”のラブコメディになります。
これ僕は好きなんですけど、いかんせん僕にラブコメの正当な評価は不可能なんですよ。ごめんなさい。僕はこれ好きです。タダノなつ先生の作画も好きです。

ミステリアス怪奇お散歩漫画。既刊1巻。
新聞部幽霊部員の主人公がくじ引きで心霊スポット担当記者に指名されてしまい、転校生のクラスメイトとともに放課後に心霊スポット巡りをしたりお喋りをしたり謎解きをしたりするお話。
日常の謎というジャンルになるのかもしれないですが謎解き感はかなり薄く、お散歩する二人を楽しく見守るようなスタンスで読むのがいいのかなと思います。
ただそれでも“坂の町”という特殊な舞台設定で、様々な土木構造物の特徴が巡り巡って不思議な効果を生み出すことが紹介されたりするので新鮮な楽しみがあり、さらに作画のタッチがかなり独特で、厚塗りを重ねたようなぼんやりうっすらとした絵も雰囲気を醸し出すのに一役買っていると思います。素敵な漫画です。

結構こういう雰囲気の漫画が好きなのかも。既刊1巻。
舞台は遠い未来の地球。動物たちが人間と同じように話したり思考したりができるようになっており、また海面上昇が深刻化しており人間の別惑星移住計画が着々と進行している世界で、そんなことお構いなしにのんびり生活する一人と一匹の物語です。
滅びゆく世界を“黄昏”と呼称しているのはアトリエシリーズの黄昏三部作に通ずるものがあるかもしれません。アトリエシリーズやったことないけど。
世界が終わりに向かおうとも関係なく“今”を生きている/生きてきた人や動物たちの平和で優しい暮らしが描かれている、素敵な漫画だと思います。

丁寧な暮らしをしよう。既刊1巻。
海の見える街に引っ越した主人公がそこで暮らすというお話。我々がどうぶつの森に求めていたもの、これだと思います(適当)。
もともと主人公は病弱で施設から出ることができず、引っ越し先の雲が浦についてはとある旅人からその話を聞いたのみであり、さらにその回想にはまだ深堀されていない人物も絡んでいることから続巻も楽しみな漫画です。ですがそれ以上にこのぼんやりとした不思議な空気感のある街で、いろいろな試行錯誤をしながら生活をする主人公たちのことをゆっくり見届ける、そんな楽しさがありますね。素敵です。

丁寧な暮らしをしよう2。既刊1巻。
実はがっつり現代のイギリスの山奥で人里離れて暮らす魔女のアリアを主人公にした、こちらもゆったり穏やかな生活を描いた漫画になります。さっきのよりはちょっとピンチなシーンが多いかな?と思いますが。(魔女は表立って人と関わってはいけないので。)
それでも(現状)魔法がうまく使えない(とされている)主人公が森の中で料理をしたりハーブや薬を作ったりという丁寧な暮らしが描かれていて好感が持てます。犬もかわいいし。ただこちらは続巻で波乱の展開が来るかもしれません。

つくみず先生の新作。既刊2巻。
少女終末旅行』がアニメ化もして完結したのも記憶に新しいですね。新作のこちらは普通の学校を舞台にちょっと普通じゃない人たちの日常を描く作品になります。
それでいて精神世界のような世界観に若干踏み込んでいる作品であり、読解の難解度はさらに上がっているのかな……?と思います。まぁその世界観がつくみず先生の作品の魅力なのかなと思うのですが……

勘違い麻雀漫画。既刊1巻。
これなぁ~~……お話の内容としてはとある高校の麻雀部を舞台に先輩に憧れる主人公が麻雀の実力よりも麻雀の所作のみを勉強し、それと謎のプレイングで実力者の先輩を翻弄して実力者と誤認される勘違いものになります。
いや、勘違いもの自体はかなり好きなんですけど、この主人公はかなり悪意があるというか、罪悪感を抱いていながら自己を正当化してしまう感じとか、今のところあんまり好きになれないというか……うーん……
勘違いの内容としてはメタゲームの読みあいをどこまでするか、という話だったりして、まぁそれはそれでゲームの戦略として面白い、のか……?僕自身麻雀は点数計算ができないレベルなのでそこまでのメタゲームが楽しめるかというとちょっと、どうなんでしょうね。

待望のコミカライズ!既刊1巻。
もともとなろう出身の作品ですね。主人公は日本から転生してきた魔法が使えない王族で、魔法を科学としてアプローチして研究を進めようというスタンスで生活しており、そんな中で天才令嬢さんが卑劣な策略に嵌められ失脚しそうになり、そこで主人公が自分のラボで助手として働かないかと(かなり強引に)提案するというお話。
奇天烈なキャラクターの主人公が実は結構いろいろ考えて動いてるんだよ、というのに助手がトゥンクして1巻は終わるんですが、まぁまだまだここからという感じですかね。

タイトルまんまのお話……なのかなぁ……?既刊1巻。
女子大生で若干引きこもりゲーマーの主人公が妹のアドバイスを受けてコミュニケーションを頑張るが個性的な人とばかりマッチングしてしまう、みたいなお話。最初はこの主人公のことがあんまり好きになれなかったんですけど、もっとヤバ……な人が出てくることによって中和されて(?)なんだかんだみんなちょっと好きになりました。
こちらもこれからに期待ですね。

燕三条万歳!既刊1巻。
僕の大好きな漫画の一つである『狼少年は今日も嘘を重ねる』でおなじみのnamo先生の作品です。本作はすでに婚約を交わしているのでラブコメにありがちな恋愛感情のギスギスはなく、ただそれ以上に厄介な“職人”という人種の住まう家で奮闘する主人公・しいなの様子が描かれます。
特に主人公の婚約相手であるところの修は父親を亡くしており、それを含めて支えていくしいなの頑張りとか、修の不器用ながら真摯にしいなに向き合おうとする姿勢とか、良いと思います。
ちなみに修は一枚の銅板を槌で打って成形していく鎚起銅器の職人。クプルムというのは銅のことで、キプロス島で採れることからキュプリウム・アエス→クプルム→カッパーと変化したそうです。

僕も太陽光で動くバイクで旅したい。既刊1巻。
所謂よくある終末ものですね。特色として主人公はセロー乗りです。よっぽどのバイク好きでなければだから何なんだという感じでしょうが。
アンドロイドの体に脳を移植した男性の話とか、なかなか切ないお話が多い感じはありますし、時間の経過とともに劣化していくインフラを割りかし誠実に描いているという特色はありますが……やっぱりもう一つ何か欲しい感じはあります。個人的に。

専門学校に行って神絵師になってちやほやされよう!既刊1巻。
専門学校を舞台にした作品は割と数があると思いますが、これもその一つです。ストーリーはただの学園ものという感じではあるんですが、やっぱり登場人物のキャラクター性がいいですね。烏丸千歳感。
オタク感ってかなり時代によって変わると思うんですけど、これが最新、令和のオタクのやり取りだ!って感じが良いですよね。そんな示準化石みたいな楽しみ方しなくていいですが……

抱き枕ぬいぐるみに魂が宿る話(?)既刊1巻。
今のところ面白いかどうかで言うと………………あとがきに「パジャマ姿の女の子が描きたい」という作者コメントがあり、それは存分に達成されているのでその需要に上手くはまればいいのかなと思います。

もちろん漁船の話です。既刊1巻。
バンチコミックスなのでかなり過激な作画となっています。過酷なマグロ漁船での生活、訳ありな乗組員たち(全員女子)の奮闘劇……「頑張るぞ!」って感じではなく「これがマグロ漁だよなめんな」って感じです。よりもいとは比較対象にならないので注意してくださいね。

いや、正直怖い……既刊1巻。
文字を食べる「ムシ」という謎の生き物がいる世界での人々のお話。なんていうか、怖いんですよね。ムシは破裂して死んだりするし、僕文字がぐちゃぐちゃになってるのを見るのがダメなんですよ。集合体恐怖症とはちょっと違うのかなと思うんですけど。百合漫画のように見えて、いや百合漫画に該当するのかもしれないですけど、もっと本質は「ムシ」という生き物の特異性にあるのかな……という気がします。続巻買うかどうかわかんないですが。

これも怖い漫画です……既刊1巻。
表紙に騙されてはいけないんですが、かなりグロテスクな漫画です。魔女のいる世界で魔女同士はその姿を正しく認識できない(もしくは魔女同士の認識が正しくて主人公が魔女を人型に認識してしまう)のかなというお話で、ストーリーの面白さよりも不気味さを前面に押し出したホラー漫画という認識でいいかと思います。つまり僕が一番苦手とするジャンルですね。なんで買ったの?
もともとはやる夫スレが原点の作品だそうです。文化というのはすごいなぁ……

ついに原作に手を出しました。既刊9巻。
もうろこどるはアニメ版は全人類見たという前提で進めていきますね。見てない?またまた……(笑)
原作をある程度時系列を捻じ曲げて再構成したのがアニメ版とのことで、さらにアニオリ展開も結構あるようです。例えば1話の『あぁ流川』はアニオリですし、アニメ終盤のろこどるフェスタは原作では2年目の展開をベースにしています。
さらにアニメ版のシリーズ構成を務めた綾奈ゆにこ先生(百合好きで有名)の設定を逆輸入したサブキャラクターの設定など、一方的に漫画→アニメという形ではなく相互に係わりのある構成となっていますね。
原作では2年目が終わろうとしており、ゆい先輩は高校卒業後声優養成学校に入り同じくろこどる卒業組のグラスキュートリーダー・伊勢見りのんとラジオの冠番組を持つようになり、縁先輩も卒業・留学を目前に控えななこの今後の活動方針について結論を迫られる、という今が最も目が離せない展開になっているといっていいでしょう。ろこどるはすごい。

絵はかわいいと思います。既刊1巻。
ファミレスで働く主人公はうっかりガチの魔法使いを雇ってしまう。
なんていうか、ノリが割と最近よくあるというか、ライトなWeb漫画の感じがして、僕はあんまりそういうのは読まないんですけど結構そういうジャンルだと競合する作品も多いのかなというか、こんな文章漫画のレビューじゃないですね。ちょっと疲れてるかもしれません。

カレーを食え!既刊2巻。
長野の田舎から大学のために上京し寮生活を始めた主人公。カレーマニアの学友につかまりカレー漬けの生活を送るようになるというグルメ漫画です。
グルメ漫画といえば前回紹介した『竜魔神姫ヴァルアリスの敗北』良かったですね。こちらも東京を中心にいろんなカレー屋さんやレトルトカレーが紹介されています。同じ寮の5人がそれぞれ別々のアプローチでカレーと付き合うことになるので色々な角度からカレーを楽しめるかと思います。そういう点では『ラーメン大好き小泉さん』に近いかもしれませんね。大澤悠抜きの小泉さん。それは小泉さんではないですね。
(自分語り、カレー屋さん前職で昼休憩で連れていかれたところが結構辛いところで、僕辛いの苦手なのでそれが割とトラウマになってて外のカレー屋さんに行くときは最大限に警戒するようになってしまったんですよね……)

大学擬人化百合をやれ!既刊1巻。
これ最高です。夢中になっちゃいました。
ストーリーとしてはダイガクたちが通う“ダイガク高校”を舞台とした学園ものですが、そんな認識や疑問は捨ててしまっていいです。
僕自身あんまり関東の大学について詳しくなくて、GMARCHは聞いたことあるけどそれぞれ何だったっけ……と調べたくらいです。今はSMARTとかっていうのもあるんですね。
早慶戦とかはもはやカップリングだし、これを考えた人は天才といわざるを得ません。東大×早稲田の絡みもあり、センターほぼ満点が求められることから完璧主義で失敗を恐れる東大に対し、早稲田は”中退したほうが一流になる”なんてジンクスを紹介して励ますという構成も素敵です。それでいて中央大を主人公に据えるセンスも素晴らしい。大好きです。
(ただやっぱダイガクなので例えばラーメンを食べに行くことを「給油」と言ったり「学費が光ってる」という表現が出ると大学生のユーモアだ……としみじみしてしまいます)
僕の推しですか?やっぱり王道のチューオー×ツクバですかね……(王道とは?)関西編も見てみたいです。

今回はここまで。最後はおまけです。

この漫画はkindleで無料公開されている作品になります。既刊3巻。実際読み始めたのは1巻が出た時からなのでもっと前ですが。
素敵な百合漫画です。無料でこのクオリティが読める世界と作者に感謝しなければいけないですね。ぜひ読んでみてください。

さて、ここまで全36作品を紹介しましたが、加えて今まで紹介した作品の続巻ももちろん読んでます。以下最高の漫画

連載中
・スクール×ツクール
・世界は終わっても生きるって楽しい
江戸前エルフ
・送魂の少女と葬礼の旅
・六畳一間の魔女ライフ
・まちカドまぞく

完結
・あの鐘を鳴らすのは少なくともおまえじゃない
・交換漫画日記
・下を向いて歩こう
・底辺チューバーが宇宙戦争を撮ってみた

ぜひ読んでみてください。来期も楽しみですね。終わり。

やっと終わった~~~~~!!!!!!!!!