このマンガを読んだ!2019

 年末恒例行事となりました、このマンガを読んだ!2019です。

 昨年のものはこちら。
cheikii.hatenablog.com

 さて、今年は引っ越しして一人暮らしを始めて……っていうライフイベントがあったので、買う本の多くを電子書籍に切り替えています。そのため、去年まではツイッターで定期的にやっていた「今日の漫画情報です。」をやらなくなり、あまり漫画の話ができなかったかなー、と思います。
(その分何本か漫画のブログを書いたりしたけど)

 前置きはここら辺にして、早速やっていきましょう。

・完結済み

うたかたダイアログ 1 (花とゆめコミックス)

うたかたダイアログ 1 (花とゆめコミックス)

 これめっちゃ好き。高校生の男女がバイト先でコントする話という認識でたぶん大丈夫です。例えのセンスや言葉選びのセンスが本当に良くて、一生読んでいたい楽しい作品でした。本当にお話づくりがうまい。本当に好きです。

アリスたちの標本 1巻 (芳文社コミックス)

アリスたちの標本 1巻 (芳文社コミックス)

 激面白漫画超高速風呂敷畳完結直行マジでやめろ!!!失礼、叫んでしまいました。
 陰鬱とした作画や世界観でお話が進んでいく、ミステリアスサイコホラーなお話。主人公の警視庁捜査官・高垣睦月が謎の少女・クララとともに被験者の深層心理に潜る”サイコシーク”という技術を用いて巨大な事件を捜査していく、というお話。主人公サイドにも様々な秘密や隠された過去があり、それが犯人側の事情や思惑に係わっていたりする……んだけど、後半の解決スピードが相当高くてびっくりしてしまった。いやもっと巻数かけて解決すべき問題でしょこれ。まぁ仕方ない話なんですが……

ひなたフェードイン!(1) (まんがタイムコミックス)

ひなたフェードイン!(1) (まんがタイムコミックス)

(えっこれkindleになってないんすか……)

 大学生の高村ひなたが結婚式場でアルバイトをする日常系4コマ。多分WORKINGみたいな感じです。お仕事的なお話半分、バイト先の上司とのラブコメ半分といった感じ。親友のみのりさんもとてもいい子で魅力的に描かれています。少し時系列が飛び飛びで違和感があったところもありましたが、基本的には面白く読めました。
 ……ただ、現在は無期限休載という扱いになっているようです。ちょっと調べたら原因は分かったんですが、まぁ……悲しい出来事です。濁させてください。

 これ漫画ってカテゴリでいいのかな、どちらかというと画集では?
 一応主人公が日本各地を巡る旅をするように任命される、という簡単なストーリーはついていますが、やっぱこれ画集だな……すいません、画集です。とにかく上手い絵が無限に(無限ではない)見られるので買ってよかったです。

牧場OL 1巻 (まんがタイムコミックス)

牧場OL 1巻 (まんがタイムコミックス)

 これ好き!!!都会で生まれ育った新卒の主人公が北海道に飛ばされて牧場で働くお話です。畜産系の漫画ってやっぱ結構あるんですけど、この作品も例にもれず酪農メインイベントをこなしながら、それでいていろいろな思惑を持ったり持たなかったりする様々な人物と交流を深めていく、というお仕事系のお話です。
 まずやっぱり絵がかわいいんですよね。主人公ももちろんだけどもう登場するすべてのキャラクターがかわいい。性別問わず。年齢問わず。種族問わずです。
 それでいて牧場と企業の立ち位置を明確にし、さらに外国産の畜産物との対比や大型化、機械化の導入の是非といった牧場が抱えるリアルな問題にもぶつかってきますし、そこも面白いです。人と人との対立もしっかりあるんですけど、
 それのバランスを取るのが動物たちへの愛なんですよね。このお話に出てくる人、やっぱりみんな動物が大好きなんですよ。それがいい。最高。とってもいい漫画でした。
 これ書くためにまた軽く読み返したんですけど、やっぱり登場人物の一人一人が良すぎるんだよな……この漫画テーマで記事一本書きたくなってきた。(書かなければいけない記事が山ほどあるのでたぶん書かないけど)

 主人公の小鞠(おじコン)とその祖母で駄菓子屋店主の伊万里、その幼馴染の草介の3人を中心とした日常のお話。平均年齢たっか。
 このお話の魅力、間違いなく伊万里の夫、小鞠の祖父で草介の親友のコマさんなんですよね。すでに他界しています。
 変わらない日常を送りながら、すぐそこに迫っているかもしれない死、大切な人の死を乗り越えて生きる人々がはきはきと描かれているところにやっぱりぐっと来てしまいました。

 ごめん、シーズンゼロしか読んでません。某界隈の中で非常に話題になったので手を出してみました。全寮制の音楽学校を舞台にした女の子たちの交流と成長を描く物語、の前日譚なんだと思います。でもシーズンゼロだけでしっかり完結していたし、良かったです。
 主人公のさらさは田舎で生まれ育った世間知らずで天真爛漫、高身長と基礎体力がとんでもなく高いという目立つ女の子で、それと同部屋になる元アイドルで極度の男性恐怖症の奈良田愛がいろいろな困難を乗り越えていく、みたいな話です。
 本編のほうも、信頼できる筋の情報によると短編の完成度が高すぎる、とのことなのでそのうち手を出すかもしれません。


サラダボウル: 1【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)

サラダボウル: 1【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)

 2019年、テーマは”旅”なんですよね。(嘘です。ずっと前からです)
 ジプシーとは、一般にはヨーロッパ(欧州)で生活している移動型民族を指す民族名。転じて、様々な地域や団体を渡り歩く者を比喩する言葉ともなっている。「ジプシー」という名称は差別的であるとされ、また上記の言葉も乞食や犯罪者の代名詞として使われる事から、徐々に用法は減りつつある。とのこと。
 そういうわけで、主人公の彼女たちも警労団の追手から逃げつつ、各地を旅して生活しています。ただし、ハウルの動く城みたいなのが出てきます。
 そんな彼女たちが身寄りのない少女を拾い、故郷を共に探しに行く、というのが大まかなストーリーです。
 僕自身あまりヨーロッパの歴史に詳しくはないんですが、こういった世界もあったのかもしれない、と彼女たちの生活に思いを馳せるような読後感でした。あとコマ割りが斬新で勢いがあります。その分スピード感に頭が付いていかず少しわかりにくいところはありましたが……
 あとまぁ、百合姫レーベルです。

たのしいたのししま(1) (週刊少年マガジンコミックス)

たのしいたのししま(1) (週刊少年マガジンコミックス)

 父親の仕事の都合で東京から離島に引っ越してきた主人公が島で生活をしたり島の謎を解いたりするゆる~い絵柄の4コマ。
 普通にゆるくておもしろかったです。最後だけ怒濤の伏線回収がアツかったけど。ローカル漫画が好きなので。


 ここからはまだ最後まで読めてない漫画です。ごめん。そのうち読みます。

夕暮れライト(1) (フラワーコミックス)

夕暮れライト(1) (フラワーコミックス)

 主人公の父親の再婚相手に自分と同い年の娘がいて、義理の姉妹としての生活が始まるんですけど、その子には幼馴染の兄弟がいて、複雑な恋愛事情が展開されていく、というお話です。一文で書ききる内容じゃないな。
 まず主人公が結構魅力的なんですよね。サバサバした性格で、必要のないことは切り捨てることも厭わないタイプです。その分孤立しやすいんですけど、その分周囲のメイン登場人物たちからは信頼を寄せられる結果になったり。
 途中からただのラブコメになるんですけど(本当はもうちょっと百合っぽくなるのかと思ってた。シチュエーションが完全に新米姉妹のふたりごはんなので)、ただ、その幼馴染兄弟の兄のほうが結構ヤバめの感情を持っていて、びっくりしました。

 仲居お仕事4コマ。花咲くいろはみたいな感じです。
 ごめん、記憶が……。またあとでちゃんと読んで感想を書きます。

鉄道少女ふたり旅 (バンブーコミックス)

鉄道少女ふたり旅 (バンブーコミックス)

 鉄道系旅行漫画。鹿児島県にお嬢様がいるわけないだろ!(鹿児島県の皆さん、ごめんなさい)
 九州を舞台にした旅ものなので、何とは言わないけど参考にするつもりだったんですが……
 最近の作品に珍しく1巻完結みたいなので、そのうちちゃんと読みます。


・連載中

ざつ旅-That's Journey- 1 (電撃コミックスNEXT)

ざつ旅-That's Journey- 1 (電撃コミックスNEXT)

 2019年、”旅”なんですよね……
 賞を獲って以降スランプに陥った漫画家の主人公が適当に場所決めてノープランで旅行する漫画です。旅×ローカル、これよ……
 実質水曜どうでしょうなんですよね。どうでしょうちゃんと見たことないけど。僕も適当に出かけたりしますけど、意外と観光名所みたいなところは避けてたりしたので(主に駐輪場の不安と持ち合わせの少なさが原因)これから頑張っていきたいなって思います。漫画の話をしろ。

 昔々、まだ百合界隈が今ほど栄えていなかったころ。人々は数少ない百合の供給を待ち侘びながら、一方で百合がメインでない作品から百合を”見出す”という剛毅な者もいました。そんな中で生まれた概念が、「同じ男が好きな女と女の関係性は百合」というもの。なお、これには完全上位互換の「同じ女が好きな~~」という概念があります。
 時は流れ、新しい元号を迎えるに至りました。今は百合を選べる時代だと言われています。人々はもう、百合を求めて路頭に迷うようなことをしなくてもいいし、百合以外が微妙な作品を無理にみる必要性からも解放されました。
 そんな2019年で、「同じ男が好きな女と女の関係性は百合」に敢えて本気で向き合うとどうなるのでしょうか。答えはこの本の中にあります。

 南くんの恋人を百合にコンバートしましたみたいな。さすがに雑な紹介だけど、正直ここまでで4000文字くらい書いてて精神が燃え尽きかけているので勘弁してください。
 主人公が気が付くといきなり小さくなってる上に知らない人の家にいて、ひとまず生存のために頑張り、後に引きこもりの更生のために頑張る話です。ラストでその現象の原因について可能性を示唆されており、2巻で終わっても違和感ない感じになってます。たぶん

成仏するにはまだ早い! (1) (バンブーコミックス)

成仏するにはまだ早い! (1) (バンブーコミックス)

 これ好き!!!人類がみんな死んでる系の日常物です。(?)幽霊あるあるみたいなギャグとか霊能力トレーニング回とかで基本ゆるふわに過ごすんですが、その裏で「人類滅亡の原因」「謎の植物」「お焚き上げ」「生存者の可能性」みたいな強烈な伏線を張りまくってるのが本当にワクワクする。かなり続きを楽しみに待ってます。
(じんるいのみなさまへに求めてたもの、多分これなんだよな……)(いや未プレイだけど)

2LJK(1) (サンデーうぇぶりコミックス)

2LJK(1) (サンデーうぇぶりコミックス)

 最近の日常もの、ただ日常するだけじゃなくてキャンプとか筋トレとかボドゲとか、何かしらのテーマに沿ったものって多いんですよね。この作品、テーマはホームレス生活です。マジで。
 家出して行き先を失った主人公が路上で寝てると、学校の先輩でホームレスの先輩がホームレス生活の知恵を貸してくれる、っていうストーリーです。きちんと実用的な知識を提供してくれるのでこれで読者のみんながホームレスになっても大丈夫!こわい

 みなみけとか大室家とかあるじゃないですか。四姉妹の長女が家を失い両親は海外に高跳びし最終的に職を失ったりするお話です。紹介がひどいな、ゆるふわです。
 三女の三都さんのエピソードに出てくるクラスメイトの瑞穂さんが本当にいいキャラしてて好き。他にもたくさんかわいくて魅力的な登場人物が出てくるのでお勧めです。

春とみどり(1) (メテオCOMICS)

春とみどり(1) (メテオCOMICS)

 コミュ障OLの主人公(みどり)が、高校の時の友人(つぐみ)の訃報を聞いて、彼女の娘(春子)を拾う話です。うさぎドロップかな?娘中学生だけど。もう主人公が春子の一挙手一投足全部で亡くしかけていたつぐみへの感情を思い出していくのがもうとにかく感情を揺さぶってきてヤバイ。やばいです。
 これ書くにあたって読み返したんですけど、このお話って先述した「同じ女が好きな女と女の関係性」かつ「不在の百合」概念なんですよね。えっ……マジ?最強のやつじゃん。

海色マーチ 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

海色マーチ 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

 これ好き!!!!沖縄県は最高!!!!!!好きでもない女とシュノーケリングを通じてイチャイチャすんな!!!!!!すいません、魂の叫びが出てしまいました。
 親の仕事の事情で埼玉から沖縄に(埼玉から沖縄に!?)引っ越してきた主人公が地元ガールの珊瑚さんにひたすらうざ絡みをして嫌われながらシュノーケリングを楽しむお話です。彼女たちの距離感というか空気感が本当に好きです。絵もきれいだし。やっぱ沖縄県ってね!いいんですよね!!

埼玉の女子高生ってどう思いますか? 1巻: バンチコミックス

埼玉の女子高生ってどう思いますか? 1巻: バンチコミックス

  • 作者:渡邉ポポ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/10/09
  • メディア: Kindle

 じゃあ埼玉県ってどうなんですか?めっちゃいいです……
 こっちはもう自虐ギャグみたいな感じなんですけど、スタバ行くよりスーパー銭湯行っちゃうような地元感、ファッション誌を読んで似たような服を求めてしまむらを巡り歩く感じが好き。去年の「カントリー少女は都会を目指す!?」も好きだし別のブログで紹介した「あわドルぐらし」も好きです。

ぐるぐるてくてく 1巻 (LINEコミックス)

ぐるぐるてくてく 1巻 (LINEコミックス)

  • 作者:帯屋ミドリ
  • 出版社/メーカー: LINE Digital Frontier
  • 発売日: 2019/03/15
  • メディア: Kindle

 東京散歩漫画!ブラタモリ!!百合!!!最高!!!!
 これ本当に好き。これ、本当に好きです。登場人物のお互いの興味関心や能力、感情とかに圧倒的な信頼があるのがいい。「信頼している」という感情、武器なんですよね……
 もう結構疲れてきてる。

旅する海とアトリエ 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

旅する海とアトリエ 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

 2019年、”旅”……
 勘で旅する食欲の権化・海が傷心イラストレーター・りえとたまたま旅先で仲良くなり、スペイン写真家のエマやイタリア服飾デザイナーのマリア達の助けを借りながらヨーロッパを旅して写真の風景を探す、というお話。
 海以外のメイン登場人物は皆センスが問われる職に就いており、(あれ、海の職業って何だ?学生?)旅や交流を通じてそれぞれの作品作りに対して改めて向き合っていく、みたいな。素敵です。

 成人向け漫画の編集をしている主人公が、圧倒的な才能を持つ作家・戸田先生をたまたま拾うみたいな話。最初は戸田先生の圧倒的な個性と技量で話が進むんですが、この業界それだけではやっていけず、環境への適応やマーケティング、タスクのやりくりなどを主に二人三脚で、時にいろいろな人の力を借りて前進していく、という感じで面白かったです。

 もはや各所で結構話題になってるし今更僕が語ることはないかな、とは思うけどとりあえず全巻買って読んだので。能力者が集められた島で、無能力者のナナがハッタリと推理で攻略法を探し、殺す、というお話です。特に話が進むにつれて推理パートが随所で出てくるようになり、推理パートが持つ意味が能力者の能力を攻略するだけに留まらなくなってくるのがいいです。あとやっぱり伏線が綿密に敷かれているし、あと主人公の心の揺らぎが4巻以降出てくるのでこれからの展開もたのしみですね。

 正直3巻で終わるのかと思ってた。超電磁砲のレベル5第5位、食蜂操祈の界隈の中のレベル4・帆風潤子を主人公とするスピンオフです。

地球侵略少女アスカ : 1 (アクションコミックス)

地球侵略少女アスカ : 1 (アクションコミックス)

 読んだな~これも。また後日にさせてください。


他、前ブログで紹介した
・ガールズフィスト!!!!
・スローループ(2巻も良かったです)
・あわドルぐらし
・スクール×ツクール
も今年読みました。これらは独立記事ができる分特に良かったです。


 疲れた。ひとまずこれでブログ収めかな。それでは皆さん、良いお年を!!

あとがき(第1部)

 ひとまず、お疲れさまです。構造物損傷事例百合アンソロジー(ksya)はこれにて一区切りとさせてください。

 

 短編小説は去年から練習していたんですが、このアカウントで一般公開したのは4月の「善意の第一者」が初めてです。まぁあれはksyaじゃないんですけど。

 

 とりあえず、ここ半年で書いた5篇について振り返っていきます。

 

Efflorescence

 

 どういう現象かは上のリンクを踏んでほしいんですけど、簡単に言うとコンクリート内部の水に溶けた物質が内部を移動して表面に出てくる現象です。(コンクリートアルカリ性の水分を含んで内部の鉄筋に不動態被膜を作ることを知っておいてください。常識なので。あと引張応力に弱く圧縮応力に強いコンクリートと逆の性質をもつ内部鉄筋が支え合ってる関係性良くないですか?)

 この現象は日本語で白華現象といいます。

 このお話は例えるならアイドルとファンの関係性のような、それでいて対等な友人関係のような、その間を関係性が揺れ動くことによって起こった出来事の話です。コンクリートの壁が重要なお話なので、これが一番構造物損傷事例と関係がある話のような気がします。

 実は前日譚があります。結局形にならなかったんですけど。

 

Lamellar Tear

 

 ラメラテアは鋼材(鉄骨・鉄板など)の溶接を行った後、板厚方向の引張応力が発生することで鋼材内部に層状のひび割れが発生する現象のことです。引き裂く方向の力が空隙を生む……という感じです。

 一番最初に浮かんだのが最終形態になった二人のキャラデザなんですよね。カッコいい戦闘シーンが書けたはずなので、冒頭に持ってこれば良かったなぁって思ってます。これ前半は泥酔した勢いで書いたんですけど。短編でやる設定量じゃないよね?

 心臓の鼓動がパワーになるというのはスゴいですよ。例えば敢えて戦闘中に自傷行為を行い出血することで相方のパワーを上げたり、もしくは戦闘と一切関係がないシーンでも心拍数が上がると相方が出てくるっていうのもあります。いったいどうなってしまうんだ

 一切の手直しをせずにpixiv百合文芸2に投稿しています。

 

Macrocell

 

 マクロセル腐食というのは一般的には腐食電流による劣化、狭義では劣化箇所を異なる種類の材料で補修した時に電位差が発生し電流が流れて劣化が拡大するというやつです。百合じゃん……

 テーマとしては“自死を選んだAIを蘇らせることは倫理的にどうなのか”みたいな感じです。登場人物の名前はカソードとアノードの捩りです。でも絶対名字に佐倉とか使いたかった、Sacrificial anode(犠牲陽極)なので……五十島はisolationから取っています。マクロセル腐食の対策にはこれしかないので……

 札束取り出すシーンが好き。前半の日常シーンで何すればいいか困ったんですけど、漫画「トモダチヅクリ」を読んでいたので何とかなりました。読め

 

Pessimum

 

 コンクリートが避けるべきもっとも大きな劣化現象のひとつにアルカリシリカ反応(アルカリ骨材反応、ASR)というのがあります。この原因はざっくり言うと悪い骨材のせいなんですけど、この悪い骨材の量が一番多いときよりもちょっといい骨材と混ざってるときの方がより悪さをするよ、っていうのをペシマム現象と言います。百合だ……

 この話は特に実験的で、百合を乱暴に別の言葉に言い換えると「女と女の関係性」とかって言えるんですが、じゃあ女と女の間に関係性が無ければ……? ということです。まあ本編に語られない外側にあるんですけど。これと同じような取り組みをしようとしている(ように感じられる)漫画に「今日、小柴葵に会えたら。」があります。(たぶん)

 サークラ哲学的ゾンビについてたくさん調べました。でも前者についてはもっと実例に触れた方がよかった気もするし後者はそのままだと物語の登場人物足り得ない(哲学的ゾンビは、思考の中にしか存在しない)ので調整しました。二人が出会ってどうなるのかは誰にもわかりません。

 ペシマムでググると構造物損傷事例を人間関係に例える先駆者のページが出てくるので脱帽するしかないです。ところでペシマム現象って正確には構造物損傷事例じゃなくない?→

 

Test Piece

 

 テストピース(供試体)はその名の通りコンクリートの強度などを調べるために試しに作られる円柱形コンクリートのこと。構造物損傷事例じゃないよね? うん。

 ここで宣言しておきます。僕は響きがカッコいい専門用語ならなんでもタイトルに使うつもりでいます。野暮なツッコミはやめてね。野暮ついでに言うと「損傷」は「変状」「劣化」と別の概念だったりします。配慮がめんどくせぇ!!

 「創作」という行為に向き合った短編なんですが、というか僕の創作観を詰め込んだ作品なんですが、世にも奇妙っぽい……

 好き嫌いを全面に押し出して物を書くと若干の罪悪感が出てくるって学びました。でもまぁ最初のアイデアで書きたかった物が書けたので良かったと思います。

 

 

 という事で第1部はここまでです。お付き合いいただいた方はありがとうございました。まだ読んでない方は別に読まなくてもいいと思います。(ここだけの話、素人がネットに公開している小説よりもプロが商業ベースで書いている小説の方が面白い)

 

 実は第2部に着手しているので安心してください。大丈夫、僕はまだやれる……ぜひよろしくお願いします。

 

 

 

 

 え? 完全な球体? 何それ?

ポケモンソード ストーリー感想 ~キャラクターの話~

 ※注意!※ ポケモン最新作のネタバレがあります!

 ポケットモンスター ソードのストーリーをクリアしました。

 パーティや型の考察をしたり厳選したり育成したり対戦したり、はたまた他のやりこみ要素に取り組んだりとまだまだやることはあります。
 ひとまず、プレーした感想、特に登場人物たちについて備忘録的に雑に書いていきます。


・ホップ

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 今作のライバルでチャンピオン・ダンデの弟。ストーリー上ではそんなに強くない。いや、強いが。ストーリー上で主人公に負けるのはもちろん、目を離すと負けている。特にビート君に負けたことはかなり堪えていたみたいで、彼の不安定さにはかなりハラハラさせられました。そういうのは個人の問題なので、ゲームのストーリー(=一本道のお話)であることに係わらず他人にはどうしようもないことなので、心の中で頑張ってくれ……って思ってました。さらにクリア後はシーソーコンビにも負けて、兄がチャンピオンの座を退いたことから目標を失ってしまい……という感じで、でも最後には新たな目標を見つけ、伝説のポケモンにも認められ(それも主人公とは違う形で)、ストーリー全体を通してかなり成長した人物だと思います。

・ソニア

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 博士の孫で見習い研究者、かつ元ジムチャレンジャーでチャンピオンの幼馴染。強すぎるダンデと自分を比べてしまいトレーナーとしての道を断ち、しかし厳しい祖母に自分の研究を認めてもらえるでもなく、祖母の押し付ける難題に気乗りせずとも主人公とともに伝説を追う旅に出る。彼女は主人公たちより一回り年上なんですけど、それがゆえにいろいろなことを諦めてしまった過去があって、それでも旅を通して自信をつけて、祖母にも認めてもらえるような成長を遂げる、というこっちのストーリーも真っすぐで気持ちいいです。エンディング後では助手に裏切られて少し精神にダメージを負うものの、すぐ立ち直って主人公たちのサポートに回ってくれるし、最終的にそのあたりがホップの物語ときちんとかみ合うというのが見事です。自分のギャグを自分で説明しちゃうのがかわいい。ルリナさん……

・ダンデ

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 チャンピオンで、主人公たちに最初のポケモンをくれる人。彼は最初からひっきりなしに「最強になって俺と戦え」という話を何度もするあたり、最強であるが故の孤独みたいなのもあったのかと思います。キバナさんのこともちょっとは見てやれよ。最初は彼の強者との戦いを求める心が悪の組織に利用されて……みたいなダンデ闇落ちラスボスルートを想像したりしていたんですが、そんなことはなく、まぁラスボスに殺されそうになってはいたけどまっとうな人間でした。あと彼は大人として主人公たちの旅を裏ですごくサポートしている。かっこいい。

・ビート

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 すごい!!!!彼はローズさんに心酔している一人で、主人公たちのことを見下して高圧的な態度で接してきます。ローズのためであれば何をしてもいいという価値観を持っていて、それが故にローズに捨てられてしまい、チャレンジャーの資格も剥奪されてしまいました。でも、そんな彼のゆがんだまっすぐさを認めてくれる人がいて、彼女のおかげで身も心もピンクに染まって……もとい、ポケモンバトルの場に再起するわけです。かっこいい。すごい!!!!

・オリーブ

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 彼女もまたローズさんに心酔している人物なわけですが、炭鉱送りにされてしまった後に話を聞けるんですけど、彼女は本当にローズさんのことが好きみたいで、彼のことを想って炭鉱で働けるのは彼女にとっての幸せなんだろうなと思いました。
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・マリィ

 ちょっとここから真剣な話をします。マリィさんのことが好きです。

 前作、ポケモンサン/ムーンにおいてポケモン回のスーパーヒロインことリーリエさんがこの世に爆誕しました。彼女はすごかった。トレーナーではないという立ち位置でありながら主人公たちとともに島巡りをして、彼女の連れているコスモッグというポケモンがストーリーの重要な鍵で、それでいて主人公と二人で無人島で雨宿りをするイベントとかも用意されていて、すごいヒロインでした。

 マリィさんはすごい。

 最初はなんか治安の悪い街の擬人化みたいな女だなと思っていました。エール団とかいう取り巻きに囲まれた姫じゃんって思ってました。ただ彼女は根っからの善人で、エール団が人に迷惑を掛けたら怒り、周囲に謝り、それでいてポケモンバトル、ひいてはチャンピオンになることに対しては誠実に真剣に向き合うという超絶真人間でした。決して裕福な生まれじゃないにしても、育ちの良さが滲み出ているのが本当にすごい。そして、方言。本当にすごい。本当に、好き……

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 いやでもそれはそれとしてキルクスタウンのジムトレーナーめっちゃ可愛くない?やばい!すごい!
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社会人のお前たちが百合を創作すべき100の理由

 

百合を制する者こそが人生を制する。

 

 社会人になって半年が過ぎた。会社というのがどういう組織で、どういった技術が必要なのか少しずつわかってきた。百合である。

 実際自分は創作活動を始めて1年と少し、まだまだド素人だという自覚はある。だが、この“百合を書いた”という経験は社会人をやっていく上でとても役に立つのだ。

 ぜひこれを読んで百合の重要性に目覚め、創作百合をしまくってほしい。

 

 

物事を簡潔にわかりやすく伝える

 

 一般に、良い文章というのは上記の条件を満たす文章のことだろう。もちろん詩的な文章にも素晴らしいものはたくさんあり、それは芸術的という点で評価できる。しかし、実社会で仕事をするというシチュエーションでは、そのような文章は不適切である。人によって捉え方が異なる文章を伝言ゲームすると、簡単に組織はその組織的な能力を失う。円滑なコミュニケーションこそが、組織の一員として必要な能力なのだ。

 だがそれは簡単ではない。根本的な問題として、人間同士はお互いの考えを100%共有することができない。それをするためには脳と脳を電極で繋ぐなどのアプローチが必要だろう。(これは物の例えである。) 人は基本的に(会社では特に)言語でのみコミュニケーションを行うため、互いに分かり合うということは非常に難しい。しかしそれで諦めてしまうと組織の一員として仕事をすることは不可能だ。我々は出来る限り読む/聞く人間のことを思いやり、言葉や伝え方を選ばなければならない。

 大体の人間は組織内でそれが出来ている。しかし、そのコミュニケーションは聞く人間の知識、経験といった理解能力や、テンプレート化したやりとりの省略等によって支えられている。全く新しい状況を前にして、自分の状況や判断の根拠を、前提知識・価値観の異なる相手に、正しく伝えるために、我々は伝える能力を磨く必要がある。

 創作というのは、自分の中のイメージを出力するプロセスを含む。伝えたいことを伝える、どうでもいいことを書きすぎない、話の流れが逸れていかないように構成に気を配る……といった「伝えるための努力」は、創作活動に限らず、あらゆるコミュニケーションにおいて必要である。これに慣れてくれば、簡潔に、かつ、ある程度の説得力をもって他人に物事を伝えることができる。

 ちなみに、もちろん誤字・脱字や言葉の誤用、より適切な表現についての知識があれば言葉の説得力は増す。この能力は読むプロセスでも得ることができるが、書くことによって得られることもあるだろう。

 

 

擬人化で関係性を抽出する

 

 先ほどは自分の中のイメージを出力する、という点に着目したが、そもそもの話、オリジナルの世界観を無から創作することはなかなか容易ではない。そこで有効なアプローチとして、物事の擬人化をここでは挙げる。

 擬人化コンテンツは様々なものがあり、敢えてここに実例を挙げずとも読者は簡単にイメージできるだろう。擬人化のポイントは、「現象に人格、つまり感情を付随させる」ことにある。

 世の中では様々な事象が複雑に絡み合っている。それらひとつずつに注目し、単純化して関係性を抽出する。その後背景の世界観を貼り付けていく。こうすることでオリジナルに近い世界観やストーリーの創作ができる。また、同じプロセスを経ていても、注目する点を変えれば違う創作物ができる。それらはどちらが正しいという物ではなく、並列することでより世界観を強固にする。この方法は実際に多くの創作物で用いられている。

 ちなみにここで注目する対象を自身の仕事内容に関わる現象にすれば、注目して単純化するプロセスでそれについて詳しくなれるというメリットもある。さらに、物事を単純化して咀嚼する、別のものと組み合わせてみるという考え方は時にビジネスを好転させる。

 

 

人々は物語を求めている

 

 世界で最も多く読まれた本をご存知だろうか。それはもちろん聖書である。

 私はキリスト教に詳しくないので迂闊なことは言えないが、宗教が昔から人々の救いになっていたという事実は覆しようがないだろう。生活の中での苦しみや理不尽、理解の及ばない現象に宗教は物語を以て理由を与えた。それが科学的に正しいかどうかは問題ではない。理由があり、物語の強度が強く、人々が納得したので宗教は広がった。そこに救われた人間は確かにいたのだ。

 これは現在、科学の進歩した会社組織にも同じことが言える。結局のところ、人間の判断やランダム要素の絡む現象を我々はコントロールできない。だが、それがコントロール出来ない理由を人々は求めている。

 強い創作ができる人間は即座に物語をでっちあげる。それが科学的根拠に基づいているかは問題ではない。相手を納得させることのみがここでは必要なのだ。

 

 

自己を削除せよ

 

 ここからは百合というジャンルについて特有の踏み込んだ話をするので、自衛のために引用元を明記しておく。

https://www.hayakawabooks.com/n/n0b70a085dfe0:百合が俺を人間にしてくれた――宮澤伊織インタビュー

https://www.hayakawabooks.com/n/n71228eb75bb0:百合が俺を人間にしてくれた【2】――対談◆宮澤伊織×草野原々

 とても話題になったのでご存知の方も多いと思う。(ただし、このインタビューも1年以上前の“古い”文章であることを頭に置いておかなければならない) この中で以下のような発言がある。

宮澤 あのですね、壁になりたいとか、観葉植物になって見守りたいとか、あるじゃないですか。僕はまったくそう思わないんですよ。

――それはどうして?

宮澤 え? いらないじゃないですか。僕。

――壁ですら、存在しなくていいと。

宮澤 うん。観測したくない。

 百合の創作を行うとき、(多くの場合)作者は限りなく自分の存在を薄める。そこに登場人物がいて、純粋に登場人物のみが物語を成す。このとき、読者と作者は同じ「客観」の立場に立つことになる。

 これは、組織内での意思疎通にとても役に立つ。自分の意識が物語に介入していると、そこに不備があった場合に判断をした存在=自分がその責任を負うことになる。出来る限り説明の際には客観に立ち、「この状況に自分の意思は介入のしようがない、誰が見ても客観的にこの結論となる」という立場を一貫して持ち続ける、また、その説明ができるように意識をしてプレゼンを構成することはビジネスシーンで余計なトラブルを回避するのに非常にうってつけなのだ。

 

 

おわりに

 

 以上の文は全て詭弁である。別にビジネスがどうとか組織がどうとかどうでもいい。いいから百合を創作しろ。俺に見せろ。